アルフレッド・カセーロ

アルフレッド・カセーロは、1962年11月12日にアルゼンチンのブエノスアイレス州ビセンテ・ロペスで生まれました。幼少期から青年期にかけては苦労も多く、早くから働く必要がありました。彼はエルマノス・マリスタス小学校で学び、その後、様々な分野で才能を開花させていきます。コメディアン、俳優としての活動に加え、音楽家、歌手としてもその名を馳せています。ダイビングやヨットを趣味とするなど、多才で健康的な生活を送っており、3人の子供の父親でもあります。

音楽家としてのキャリアは、1994年に「Halibour Fiberglass Sereneiders」というバンドを結成したことから始まりました。このバンドで「Gestando la Halibour」という楽曲をリリースし、2000年には「Alma de camión」を発表しています。しかし、彼の音楽キャリアにおいて特筆すべきは、2001年にリリースしたアルバム『Casaerius』でしょう。このアルバムに収録された「島唄」は、日本のバンドTHE BOOMの楽曲をカバーしたもので、アルゼンチン国内のラジオ局で大いに支持され、大ヒットとなりました。

「島唄」のカバーには、心温まるエピソードが隠されています。アルフレッドは原曲の歌詞の意味が分からなかったため、日本語のままカバーしました。この曲がアルゼンチンでヒットしていることを知ったTHE BOOMの宮沢和史は、現地を訪れてアルフレッドと出会います。アルフレッドは宮沢に対し、無許可でカバーリリースしたことを謝罪しました。しかし、宮沢は遠い異国の地で自分の楽曲が多くの人に聴かれていることに感動し、今後の活動を応援すると伝えました。この出会いをきっかけに、アルフレッドは日本に招待され、日本の音楽番組にも出演。NHKの『ポップジャム』では、観客総立ちで盛り上がりました。

さらに、アルフレッドは2002年の大晦日に放送された『第53回NHK紅白歌合戦』に、「アルフレッド・カセーロ&THE BOOM」名義で初出場を果たしました。Every Little Thingと対戦し、「島唄 Shima Uta」を熱唱し、その歌声は多くの視聴者を魅了しました。また、2002 FIFAワールドカップでは、THE BOOMの「島唄」がアルゼンチン公式ソングに採用され、同年6月には国立競技場で行われた日本対チュニジア戦のパブリックビューイングで、THE BOOMとアルフレッドがサポーターと共に「島唄」を大合唱しました。

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