アルマ・アタ宣言 (1991年)

アルマ・アタ宣言について

アルマ・アタ宣言とは、1991年12月21日に独立国家共同体（CIS）の設立を宣言した文書です。この宣言は、ソビエト連邦の崩壊を象徴するものであり、加盟国間の協力と統合の枠組みを明確にする重要な役割を果たしました。元々1991年12月8日に策定されたベロヴェーシ合意に基づいて、ロシア、ウクライナ、ベラルーシのリーダーたちはCISの設立に合意し、その後、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、モルドバ、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンも参加しました。これにより、連邦の解体を背景にした新たな政治・経済共同体が成立しました。

バルト三国（リトアニア、ラトビア、エストニア）は1940年のソ連による併合が不当であるとしてCISへの参加を拒否し、グルジア（ジョージア）も同様に参加しない決定をしました。このように、参加する国と参加しない国との間に明確な違いが生じる中で、CISは独立国家同士の協力を促進しようとする試みでした。

この宣言には、具体的な合意事項が含まれていました。まず、国家元首と政府の評議会に関する暫定合意が1991年12月30日に締結され、これにより加盟国は政策の調整を図ることが可能になりました。また、同日に戦略軍に関する合意や、軍隊と国境警備隊に関する合意も結ばれ、共同防衛の枠組みが整備されました。

このように、アルマ・アタ宣言はただの合意書ではなく、特にソ連崩壊という歴史的背景を持ち、新たな国家間の枠組みを模索する独自の意義を持ちました。実際、この宣言の発効から4日後の1991年12月25日には、ミハイル・ゴルバチョフがソ連大統領を辞任し、翌日の12月26日にはソ連そのものの解体が宣言されるという流れが起こりました。これは多くの国にとって大きな転機となり、各国がどのように国際社会での位置づけを確立していくかが問われる日々が始まったのです。

さらに、アルマ・アタ宣言はその後の独立国家共同体の運営に大きな影響を与えました。加盟国は共通の利益を追求しつつ、個々の国の独立性を尊重する姿勢を持ち続けています。また、CISの枠組みの中で各国は経済協力を推進し、それぞれの内政の安定化を図ることとなりました。これは当時の地域情勢や国際状況に対する重要な対応策ともなっています。

このように、アルマ・アタ宣言は単なる国家間の合意に留まらず、歴史的変革の一端を担った重要な出来事であると言えます。

もう一度検索