アルマ・リチャーズ

アルマ・リチャーズ（Alma Wilford Richards、1890年2月20日 - 1963年4月3日）は、アメリカ合衆国の陸上競技選手であり、1912年ストックホルムオリンピックの走高跳で金メダルを獲得したことで知られています。

生い立ちと初期

リチャーズはユタ州南西部のパロワンという田舎町で生まれ育ちました。中学2年生の時、彼は学校を辞めて世界を旅することを決意しますが、旅の途中で出会ったネイティブアメリカンの人物に諭され、学校に戻ることを決意します。この出来事は、彼の人生における重要な転換点となりました。

陸上競技との出会い

ブリガムヤング高校に進学後、リチャーズはバスケットボールをしていましたが、コーチにその才能を見出され、走高跳を始めることになります。彼はすぐに6フィートの高さを難なくクリアし、その才能を開花させました。コーチはリチャーズをストックホルムオリンピックの代表選考会に出場させるため、資金集めに奔走します。

ストックホルムオリンピック

選考会に出場したリチャーズは、全米チャンピオンのジョージ・ホーリンを破り、ストックホルムオリンピックへの出場を決めます。そして、オリンピック本番では1メートル93センチを跳び、見事に金メダルを獲得しました。この勝利は、彼にとって大きな自信となり、その後の人生に大きな影響を与えました。

大学時代

1913年に高校を卒業したリチャーズは、コーネル大学に進学します。オリンピックでの活躍は彼に自信を与え、かつてはそれほど目立った存在ではなかったリチャーズは、コーネル大学で勉学とスポーツの両面で才能を開花させました。1913年のAAU（全米体育協会）選手権の走高跳で優勝した後、彼は競技の幅を広げ、十種競技にも挑戦するようになります。1915年のAAU選手権では十種競技で、2位に500ポイントの大差をつけ優勝しました。ちなみに2位は、後に国際オリンピック委員会（IOC）会長となるアベリー・ブランデージでした。

幻のオリンピックとその後

1916年のベルリンオリンピックでは、十種競技と走高跳の2種目での制覇が期待されていましたが、第一次世界大戦の影響でオリンピックは中止となり、リチャーズが再びオリンピックに出場することは叶いませんでした。

1917年にコーネル大学を卒業後、リチャーズはスタンフォード大学の大学院に進学。その後、南カリフォルニア大学のロースクールに入学し、走高跳と同じようにロースクールの課程をクリアしました。しかし、彼は法曹の道には進まず、代わりにロサンゼルスの高校で教師として32年間教鞭を執り、多くの生徒たちに影響を与えました。

引退後

教師を引退した後も、リチャーズはスポーツへの情熱を持ち続け、後進の指導に尽力しました。彼の教え子の中には、後にオリンピック選手となる者も現れました。

アルマ・リチャーズは、オリンピック金メダリストとしてだけでなく、教育者としても人々に貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

外部リンク: アルマ・リチャーズ - Olympedia（英語）

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