アル・クズ軽機関銃

アル・クズ：イラク国産RPK軽機関銃

アル・クズ（アラビア語: القدس、英語: Al-Quds）は、イラクのバアス党政権下で、国有企業のアル・カーディシーヤ機関が製造していたRPK（軽機関銃）系統の自動小火器です。

開発と製造

1970年代、サッダーム・フセイン政権下で、イラクは軍需産業の国産化を目指しました。その一環として、アル・カーディシーヤ機関が設立され、歩兵用小火器の製造が開始されました。

製造にあたっては、ユーゴスラビアが技術協力を行い、ツァスタバ社の製造設備が導入されました。そのため、アル・クズは実質的にツァスタバ製のM72B1のライセンス生産品と言えます。

運用

アル・クズは、イラク軍や共和国防衛隊に配備され、イラン・イラク戦争などで使用されました。イラク戦争後も、新政府軍や民兵組織である人民動員隊で使用されました。

しかし、2003年にアル・カーディシーヤ機関の工場が連合国軍に制圧されたことで、アル・クズの製造は打ち切られました。

特徴

アル・クズは、M72B1とほぼ同等の製品であり、外見上の細部にわずかな違いが見られる程度です。

主な特徴は以下の通りです。

プレス加工の金属製機関部
ゴム製の肩当て板が付いた木製銃床
合成樹脂製の銃把
U字型の照星覆い
300mまでの固定式照門と100mから1000mまでの可変式照門

M72B1との識別点として、照門基部の右側面に「al Quds」「Cal 7.62x39 mm」の刻印が、左側面にはアラビア文字の刻印とモスクを模した意匠があります。

スペック（M72B1に準拠）

口径: 7.62x39mm
作動方式: ガス圧作動、ロータリーボルトロッキング
全長: 約1,025mm
銃身長: 約547mm
重量: 約5.5kg（空マガジン)
装弾数: 30発箱型マガジン

関連項目

機関銃一覧
* タブク (小銃)

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