アル・シャバブ (ソマリア)

アル・シャバブの概要

アル・シャバブ（アラビア語: الشباب‎, Al-Shabaab）は、ソマリア南部を中心に活動するイスラーム団体であり、2012年の時点ではソマリアで最も有力なイスラーム勢力として認識されています。この組織は、ソマリア暫定連邦政府やエチオピア、アメリカ合衆国、アフリカ連合などとの対立関係にあり、その影響力は広範囲です。特に、南部都市キスマヨでは、ヒズブル・イスラムやアルカーイダ、エリトリアなどとの関わりが取り沙汰されており、日本語メディアでは「アッシャバーブ」と呼称されることもあります。

「シャバーブ」はアラビア語で「青年」を意味し、ヒズブル・シャバーブ（Hizbul Shabaab）や「2つの移民団の土地の民衆抵抗運動」（PRM）といった名乗りを使うこともあります。

組織の背景

アル・シャバブは、イスラム法廷会議（ICU）の若手過激派が集まり、2004年の半ばに結成されました。この団体は、イスラム教の敵と見なす者たちに対抗するための戦士たちが集まっています。アメリカ合衆国国務省からはテロ集団に指定されており、北欧諸国の治安機関からも同様の観点から監視されています。

この組織は、シャリーア法に基づく厳格な罰則の実施で知られています。例えば、2008年には13歳の少女が姦通の罪で石打ちの刑を受け、その背景には複雑な社会状況があります。また、強盗の罰としては手足を切り落とすという判決が下されたこともあり、その行動は法に基づくものと主張されています。海賊行為に対しても厳しい姿勢を示し、盗みや身代金の要求については非難しています。

国際的なつながり

アル・シャバブは、ソマリア国外のソマリ族居住地域を含む統一運動を掲げていますが、イスラーム団体としての明確な統一感は乏しいともされています。特に族間の複雑な関係が影響しているため、団体内部の力学も多様です。そのため、エチオピア軍の撤退によってその支配領域が広がったものの、闘争目標の喪失によって内部の分裂の懸念が高まる状況には注意が必要です。

外国からの参加者が多いことも特徴で、特にペルシャ湾岸からのメンバーや、エジプトやリビアからの支援者による強力なバックアップを受けています。アル・シャバブの戦士たちは自爆攻撃を多用し、その傾向は国際的な過激派からの影響を反映していると考えられています。国際社会全体がこの団体の活動に深刻な警戒感を持っており、特にイスラーム過激派への支援が報告されています。

活動の歴史

アル・シャバブの活動は2007年に大きく注目を浴びました。ISUの支持を受けた後、彼らは様々な抵抗運動を展開し、それに伴う様々な戦闘と事件が報告されています。その間、アル・シャバブは注意深く支持基盤を築き、治安維持活動を行うアフリカ連合軍との衝突を繰り返すことになります。

モガディシオからの撤退や、キスマユでの交戦、国外での攻撃などが続き、その後も多くのテロ事件を引き起こしています。代表的な事件として、2013年のナイロビの商業施設での襲撃や、2017年のモガディシオでの爆弾攻撃が挙げられ、特に後者は多くの死者を出す結果となりました。

近年では、アメリカ合衆国による空爆作戦や、国際軍による介入が続いており、これら要因がアル・シャバブの将来に与える影響は大きいと予測されています。2022年にもホテルへの攻撃を展開し、その活動は現在も活発です。国際社会全体が注視する中、アル・シャバブの活動は今後も続くと見込まれています。

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