アレイの鏡

『アレイの鏡 Way to the Virgin Space』について

『アレイの鏡 Way to the Virgin Space』は、1985年に開催された国際科学技術博覧会（つくば万博）で発表された松本零士の原作によるアニメです。この作品は、特に子供向けを対象にした科学教育プログラムとして強い特色を持っています。また、松本アニメとしては初めてコンピュータグラフィックス（CG）が導入された点も特徴です。

あらすじ

物語は、女性パイロットまゆと探検家のめぐるが、宇宙の果てにあるとされる「アレイ」を探す旅から始まります。彼らの宇宙船に、密造された機械化人ゼロが潜入し、最初はハイジャックを試みますが、やがて目的地が同じであることから同行者となります。

宇宙を進んでいる最中に彼らは新たな宇宙船を発見しますが、その船に不意にかかった光線に捕まってしまい、船の操縦が奪われてしまいます。その光線によって導かれた先は惑星アレイであり、そこには不可視の住民が居ることが明らかになります。この住民の意識は「総意」と呼ばれ、彼らの共同意思として存在しているのです。

登場人物

• - まゆ（声：麻上洋子）

宇宙船の女性パイロットで、桃色の髪が特徴。彼女はアレイを探し求める旅の中心人物です。

• - 大地めぐる（声：戸田恵子）

まゆの同伴者で探検家。彼は『銀河鉄道999』に登場する星野鉄郎のような外見をしています。

• - ゼロ（声：田中秀幸）

機械化人であり、まゆとめぐるの宇宙船を奪おうとしますが、後に仲間となります。

• - リンネ（声：鶴ひろみ）

アレイの水先案内人で、マスコット的な役割を持つキャラクターです。

• - 総意（声：武藤礼子）

アレイの住民の意識の集合体であり、女性の形をして表現されています。彼らは人類の歴史における争いを理由に、まゆたちをもう一つの宇宙へ導くことを拒む存在です。

制作スタッフ

本作は、原作・総監督を松本零士が務め、脚本は松本と馬嶋満が手掛けました。監督には森下孝三が名を連ね、数多くのアーティストが参加したことでも知られています。音楽は西村ユリが担当し、主題歌も彼女が作曲した楽曲が用いられています。

主題歌

本作の音楽には、「We will be one someday」や「碧い湖」の2曲があり、どちらも冬杜花代子の作詞、そして西村ユリの作曲によるもので、下成佐登子が歌に参加しています。

ビデオソフト化

アレイの鏡は、VHSやβテープ、さらにはVHDとしてもリリースされており、メディアとしても広く流通しました。

エピソード

1984年12月25日、制作スタッフが宇宙船のシーンをCGで制作していた際には、DECのVAX-11/780を占有して行ったという逸話も残っています。この時、スタッフは楽しくクリスマス・ソングを口ずさみながら、その作業を進めていたとのことです。

以上のように、『アレイの鏡 Way to the Virgin Space』は、宇宙探索をテーマにした作品として、教育的ながらも楽しいアニメーションの要素を兼ね備えています。

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