アレクサンダー・バスタマンテ

ウィリアム・アレクサンダー・クラーク・バスタマンテ（Sir William Alexander Clarke Bustamante, 1884年2月24日 - 1977年8月6日）は、ジャマイカの政治家、労働運動家であり、同国初の首相として知られています。彼の生涯は、植民地支配からの独立を求めるジャマイカの闘いと深く結びついています。

初期のキャリアと帰郷

バスタマンテは、多様な職歴を持つ人物でした。キューバでは警察官として、ニューヨークの病院では栄養士として働くなど、さまざまな経験を積みました。世界を旅した後、1932年にジャマイカに帰国。この時期から、彼は植民地支配に対する抵抗運動のリーダーとして頭角を現し始めます。

労働運動への参加と指導

1937年、バスタマンテは労働活動家のアラン・G.S.クームスが設立したジャマイカ労働組合（JWU）の会計係に就任します。1938年のストライキでは、労働者のスポークスマンとしてカリスマ性を発揮し、その名を轟かせました。その後、JWUはバスタマンテ産業労働組合（BITU）へと発展し、彼は「チーフ」として組合員から敬愛されました。

政治活動と投獄

バスタマンテの反植民地運動は、1940年に彼が破壊活動の疑いで投獄されるという結果を招きます。しかし、彼の活動は無駄ではなく、ジャマイカへの普通選挙権の導入へと繋がりました。1942年に釈放されたバスタマンテは、1943年にジャマイカ労働党（JLP）を設立し、政治家としての道を歩み始めます。この時、彼のいとこであるノーマン・マンリーは、JLPのライバルとなる人民国家党（PNP）を設立し、ジャマイカ政界は二大政党制の時代へと突入します。

政治的リーダーシップ

1944年の選挙で、JLPは下院の32議席中22議席を獲得し、バスタマンテは非公式のジャマイカ政府のリーダーとなりました。1953年に植民地行政長官のポストが創設されるまで、彼はその立場を維持し、ジャマイカの政治を主導しました。1947年と1948年には、キングストン市長も務めています。しかし、1955年の選挙でJLPは敗北し、バスタマンテは指導者の座を一時的に失うことになります。

独立運動と初代首相

バスタマンテは西インド連邦構想に反対し、ジャマイカの完全な独立を強く主張しました。彼の独立運動への情熱は、ジャマイカ国民を鼓舞しました。そして、1962年、ジャマイカが独立を達成すると、彼は初代首相に就任し、1967年までその重責を担いました。

遺産

バスタマンテは、ジャマイカの独立と発展に大きく貢献した人物として、今もなおジャマイカ国民から尊敬されています。彼の労働運動におけるリーダーシップ、政治的指導力、そして独立への情熱は、ジャマイカの歴史に深く刻まれています。

外部リンク

Sir Alexander Bustamante biography

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