アレクサンダー・ヘール

アレクサンダー・ダーハム・ヘイル

アレクサンダー・ダーハム・ヘイル（Alexander Durham Hail、1844年4月16日 - 1923年6月5日）は、アメリカ合衆国の宣教師であり、カンバーランド長老教会から日本へ派遣されました。名誉神学博士の称号を持ちます。

生涯

1844年、ヘイルはイリノイ州マカムで、W・S・ヘールの長男として誕生しました。南北戦争の際には北軍に志願し、従軍しています。戦後、ハノーバ大学とウェインズバーグ大学で学び、学問を修めました。1867年7月には按手礼を受け、正式な牧師となります。その後、伝道活動を行いながらオベリン神学校を卒業。さらに、クリーブランド大学で医学部を卒業し、医師免許も取得しました。彼は神学と医学の両方を修めた、多才な人物でした。

日本での宣教活動

1878年10月、ヘイルは日本へ渡り、大阪居留地で伝道活動を開始しました。同年12月には、大阪市西区南堀江に講義所を開設し、精力的に活動を展開します。1880年9月26日には、山本周作と久世徳蔵に洗礼を授けました。1881年からは、紀州和歌山での伝道にも力を入れ、1884年にはウヰルミナ女学校（現在の学校法人和歌山信愛学園）を創設しました。この女学校は、キリスト教に基づく女子教育の発展に大きく貢献しました。

1893年以降は、弟のジョン・バックスター・ヘイルにウヰルミナ女学校を託し、大阪、富田村、河内長野、八尾、平野、四日市、上野、伊勢など、関西地方を中心に広範囲な伝道活動を行いました。各地を巡り、人々にキリスト教の教えを伝えました。

軽井沢での悲劇

ヘイルは長野県軽井沢に別荘を建て、夏の間は避暑地として過ごしていました。1911年の夏、息子夫婦と共に軽井沢で避暑中に、浅間山の大噴火に遭遇し、最愛の息子ジョン（当時35歳）を亡くすという悲劇に見舞われました。この悲しみの中で、アレクサンダーは「これは神の御心であり、神の御業のあらわれである」と語ったと伝えられています。深い悲しみの中でも信仰を失わなかった彼の言葉は、人々に感銘を与えました。


アレクサンダー・ダーハム・ヘイルは、日本におけるキリスト教の普及と教育の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されています。

参考文献

守部喜雅『日本宣教の夜明け』いのちのことば社、2009年
『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年

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