アレクサンドル・ドヴォルニコフ

アレクサンドル・ウラジーミロヴィチ・ドヴォルニコフ

アレクサンドル・ドヴォルニコフ（Александр Владимирович Дворников）は、1961年8月22日にロシアのウスリースクで生まれた著名な軍人で、陸軍の上級大将であり、ロシア連邦英雄の称号を持つ。彼はシリアにおけるロシアの軍事介入の指揮官として特に知られ、国際的な観点からはその行動が賛否を呼ぶ要因ともなった。本記事では、彼の若年期から現在までの軍歴を詳述する。

若年期と初期の軍歴

ドヴォルニコフは1978年にウスリースク・スヴォーロフ軍事学校を卒業し、ソ連の地上軍に入隊。その後、モスクワ高等軍事指揮学校で学び、1982年に同校を卒業した。彼は極東軍管区にて小隊長から大隊先任参謀までの経歴を積み重ね、1991年にフルンゼ軍事大学を卒業した。この頃から西部軍集団の副大隊長としての役割に就く。

ロシア陸軍での昇進

1992年から94年にかけて、ドヴォルニコフは第6独立親衛自動車化狙撃旅団の第154独立自動車化狙撃大隊を指揮。さらに1995年には第10戦車師団の参謀長兼副連隊長に任命された。1996年には連隊長となり、その際に軍事貢献勲章や勇敢勲章を授与される。彼はその後、モスクワ軍管区で第2親衛自動車化狙撃師団の指揮を執り、北カフカーズ軍管区では第19自動車化狙撃師団の司令官として任務に携わっていった。

2005年にはシベリア軍管区の第36諸兵科連合軍の副司令官兼参謀長に就任し、2008年には第5諸兵科連合軍を指揮した。彼は2012年に中央軍管区の参謀長兼第一副司令官として活躍し、2014年に大将に昇進。

シリアにおける軍事介入

2015年9月、ドヴォルニコフはシリアにおけるロシア軍の初代司令官となった。彼の指揮下でロシアはシリア内戦に介入し、各種の空爆や地上作戦を展開。この軍事行動は国際的に大きな議論を呼ぶこととなり、民間人を標的にした攻撃が特に批判の対象となった。ドヴォルニコフはそのため「シリアの虐殺者」としての汚名を得る。

2016年には南部軍管区の司令官に任命され、シリア内での功績が評価されてロシア連邦英雄の称号を獲得した。2020年には上級大将に昇進し、さらなる責任を担うことになった。

ウクライナ侵攻とその後

2022年4月、ドヴォルニコフはウクライナ侵攻における軍事作戦の指揮を任される。しかし、彼の指導のもとでの軍事行動には多くの懸念が寄せられた。特に、クラマトルスク駅へのミサイル攻撃では多くの民間人が犠牲となり、これが彼の指示であると報じられることで、国際社会からの非難が集中した。彼はアメリカ側からは更迭されたとの憶測が流れることになる。

2022年6月には、ロシアの国防省が別の司令官を任命することを発表し、ドヴォルニコフの現場での活動は縮小した。このように、彼のキャリアは多くの評価と批判が交錯するものであった。国際的な軍事活動における彼の役割は、ロシアの軍事戦略において重要な位置を占め続けている。

もう一度検索