北カフカーズ軍管区

北カフカーズ軍管区

北カフカーズ軍管区は、かつて存在したソ連とロシア連邦の軍事組織であり、カフカース山脈北部の地域を担当していました。この管区の本部はロストフ・ナ・ドヌに置かれており、様々な部隊が編成されていました。戦車600両、装甲車1940両、火砲755門、戦闘ヘリ70機を擁し、幅広い軍事作戦に対応できる構成を持っていました。

歴史

設立と戦間期

北カフカーズ軍管区は1918年5月4日に設立されました。設立当初はスタヴロポリ県、黒海県、ダゲスタン県などの地域を含み、途中で赤軍への改編が行われました。内戦後の1921年には再び北カフカーズ軍管区が復活し、司令官には著名な軍人クリメント・ヴォロシーロフが任命されました。1924年から1928年には、軍事教育機関が設立され、北カフカーズ軍管区内での人材育成が図られました。

第二次世界大戦

独ソ戦の最中、北カフカーズ軍管区は重要な役割を果たしました。1941年には第19軍が編成され、赤軍がドイツ軍に反撃を行う際に活躍しました。特に、1941年11月のロストフ郊外での反攻は、ドイツ軍にとって大きな敗北となり、戦局を変える転機となりました。この兵員養成機能は、数々の軍学校や教育機関によって補完され、数多くの現役将校が育成されました。

1942年から1943年にかけて、北カフカーズ軍管区はスターリングラードの戦いやカフカースの戦いが展開された地域となり、ここでの戦闘は第二次世界大戦の転換点となりました。特に、スターリングラードの戦いは、ドイツ軍にとって耐え難い損害を与える結果となり、連合軍側に有利な展開をもたらしました。

戦後の変遷

1945年7月には、平時編成に移行し、3つの新たな軍管区が設立されましたが、1946年には再度北カフカーズ軍管区に復帰しました。その後、この軍管区内部にはロケット演習場が設けられ、1950年代には弾道弾発射実験が行われるなど、軍事技術の向上が図られました。1968年には赤旗勲章を授与されるなど、歴史に名を残す存在となりました。しかし、2010年には南部軍管区への改編が行われ、最終的に閉鎖されました。

編制と部隊

北カフカーズ軍管区は、1個の軍と多様な軍管区直轄部隊で構成され、空軍や鉄道軍も配属されていました。また、在ザカフカース・ロシア軍集団も管轄下にありました。具体的には第58諸兵科連合軍を中心に多様な部隊構成を持ち、時には他省庁の軍事組織も作戦統制下に置かれることがありました。

以上のように、北カフカーズ軍管区は、戦争の激動の中で重要な役割を果たし続け、さまざまな歴史の節目に関与した組織として記憶されています。

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