アレクサンドル・ルツコイ

アレクサンドル・ウラジミロヴィッチ・ルツコイの生涯

アレクサンドル・ウラジミロヴィッチ・ルツコイ（Александр Владимирович Руцкой, 1947年9月16日生まれ）は、ソビエト連邦及びロシアの著名な軍人であり、政治家としても広く知られています。彼はソ連の空軍少将であり、ロシア連邦の副大統領を務めたことでも有名です。ルツコイはソ連邦英雄の称号を持つなど、その軍歴には多くの栄光が刻まれています。

幼少期と教育

ルツコイは、ソビエト連邦のロシア連邦共和国、クルスク州で生誕しました。彼は子供の頃から飛行機に強い興味を持ち、K.A.ヴェルシニン名称バルナウル飛行技師高等軍事航空学校で8年間学び、見事に卒業しました。その後、1971年に軍務に就くとともに、さらなる専門知識を深めるためにガガーリン名称空軍アカデミーやソ連軍参謀本部アカデミーで学びました。1970年にはその年齢にもかかわらずソ連共産党に入党を果たします。

軍人としてのキャリア

1985年から1988年にかけて、アフガニスタン紛争へ従軍し、独立航空攻撃連隊の指揮をとる空軍大佐に昇進しました。1988年には、彼の搭乗機Su-25が敵の戦闘機に撃墜され、ムジャヒディーンの捕虜として捕らえられます。しかし、8月16日にパキスタンの仲介によって解放され、その功績により12月8日にソ連邦英雄の称号が与えられます。

政治への転身

1990年、新たに設立されたロシア共和国共産党の中央委員に選出され、同年の人民代議員大会選挙では議員として選出されました。議会では、傷痍軍人や退役軍人のために社会政策を推進し、改革派として「民主主義を目指す共産主義者」という院内会派を結成し活躍します。これにより共産党内部の保守派と距離を置き、最終的に党を離党しました。

1991年、ボリス・エリツィン大統領もルツコイの軍歴に注目し、副大統領候補に選ばれました。同年6月12日の選挙で副大統領に当選。8月のクーデターでは、エリツィンとともに最高会議ビルの防衛に努め、ゴルバチョフ大統領を救出する活躍を見せます。

ソ連崩壊後の活動

ソビエト連邦の崩壊後、ルツコイはエリツィン政権下での経済改革に反対し、1992年に自由ロシア人民党を結成。その後も政治ブロック「市民同盟」を結成し、エリツィン政府との距離を大きくしていきます。1993年には議会の反エリツィン陣営の中で大統領代行となりますが、その後はロシア連邦軍の攻撃により、抗戦は失敗に終わり、逮捕されてしまいます。

1994年に恩赦で釈放された彼は、愛国団体「大国」を設立し活動しますが、1995年の選挙で党は敗北、ルツコイ自身も落選。1996年にはロシア人民愛国連合に副議長として参加し、クルスク州知事に当選。2000年に再選を目指しましたが、立候補資格を取り消され、政界から一時的に距離を置くこととなります。

家族

アレクサンドル・ルツコイは、家族を持っており、現在は再婚して3男1女の父親でもあります。彼の家族は彼のキャリアにも大きな影響を与えた部分もあるでしょう。

以上のように、アレクサンドル・ウラジミロヴィッチ・ルツコイは、軍人及び政治家として多くの功績を残し、現在に至るまでその影響力は色褪せることがありません。

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