アレクサンドル・レベジ

アレクサンドル・イワノヴィチ・レベジ

アレクサンドル・イワノヴィチ・レベジ（1950年4月20日 - 2002年4月28日）は、ソビエト連邦とロシアの軍人、政治家であり、軍の中将としての階級を持つと同時に、クラスノヤルスク地方の知事やロシア安全保障会議の書記を歴任した人物です。彼の実弟には、ハカス共和国の政権を担ったアレクセイ・レベジ大佐がいます。

生い立ち

レベジはソビエト連邦ロシア共和国のロストフ州ノヴォチェルカッスクで労働者階級の家庭に生まれました。彼は1967年から2年間、研磨工として働いた後、1969年にリャザン高等空挺指揮学校に入学し、軍人への道を歩み始めました。

軍歴

1973年にリャザン高等空挺指揮学校を卒業すると、1981年まで同校で勤務し、その後アフガニスタン紛争に従軍しました。1985年にはフルンゼ名称軍大学を卒業し、トゥーラ空挺師団長に就任。その後、アゼルバイジャンやグルジアにおける民族紛争にも参加しました。

1991年のソ連8月クーデターでは、国防大臣の命令を拒否し、エリツィン支持の立場でロシア共和国の最高会議ビルを防衛しました。彼は ソ連共産党から離党し、後の1992年にモルドバの沿ドニエストル地域に駐留する第14軍の司令官に任命され、紛争の調停者となりました。しかし、1993年のモスクワ騒乱にもエリツィンを支持して関与しましたが、1994年のチェチェン戦争に関しては、防衛省の方針を強く批判し、1995年に司令官を解任され、軍を退役することになりました。

政治的キャリア

退役後、彼の政治的野心はますます強まりました。1995年、ロシア人共同体会議に参加し、後に副議長となりました。さらに、同年12月の下院選挙でトゥーラ選挙区から当選し、1996年6月の大統領選挙にも出馬しました。結果、得票率14.52%を得て第三位となりましたが、エリツィン支持を表明し、国家安全保障担当大統領顧問に任命されました。

その後、8月にチェチェン共和国担当大統領代理として任命を受け、アスラン・マスハドフと会談し、独立問題を五年間凍結する合意を結びます。この和平合意によって第一次チェチェン紛争を終結させましたが、その独断的行動はエリツィン政権との間に緊張をもたらし、結局、彼は公職から解任されることになりました。

その後の活動

レベジは、エリツィン政権に対抗する新たな政党、「ロシア国民共和党」を結成しました。彼の政治活動の一環として、1998年にはクラスノヤルスク地方知事に当選し、その後、北カフカス問題に取り組み、多くの拘束されたロシア軍人の解放活動にも尽力しました。

しかし、2002年4月28日、彼は視察中にヘリコプター事故に遭い、命を落とす運命に至ります。彼の人生は、軍人としての誇り高い道と、政治家としての波乱に満ちた道のりを示しており、その影響力は今なお評価され続けています。

著作

レベジの著作として特に注目されるのは、彼の思想や政治的信念を示した『憂国』です。この書は多くの読者に読まれ、その影響は広がっています。

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