ノヴォチェルカッスク

ノヴォチェルカッスクの概要

ノヴォチェルカッスク（ロシア語: Новочерка́сск）は、ロシア南部のロストフ州に位置する産業都市です。この町はかつてドン・コサック軍の首都であり、2021年時点で16万3674人の人口を有しています。州都のロストフ・ナ・ドヌから30キロメートル北東に位置し、トゥズロフ川の右岸でアクサイ川が合流する地点に位置しています。地理的には三方を川に囲まれ、交通アクセスも整備されています。モスクワとノヴォロシースクを結ぶ高速道路M4や、モスクワからロストフ・ナ・ドヌ、そしてソチにつながる鉄道が通っています。

歴史

ノヴォチェルカッスクの歴史は1805年に遡ります。この年、ナポレオン戦争でドン・コサックを指揮した将軍マトヴェイ・プラートフの指導のもと、ドン軍管州の中心地として設立されました。建設当初、旧市街のチェルカッスクは洪水に悩まされており、住民は安全な場所を求めて移転を余儀なくされました。

この町は、ロシア帝国の中でも大きな自治権を享受するコサックの拠点として、また最大の都市として成長を遂げました。ドン・コサックのアタマンの宮殿や政府機関、裁判所など多くの重要な施設が設けられ、1882年には人口が37,091人に達しました。この時期のノヴォチェルカッスクでは、11の聖堂や高校、劇場、病院なども整備され、交易や産業も発展しました。穀物やワイン、材木が取引される中心地となり、19世紀末までにはレンガや小麦粉、ワイン醸造の工場も設立されました。

第一次世界大戦後、ロシア内戦が勃発し、ノヴォチェルカッスクは政治的にも不安定な状況に陥りました。アタマン・アレクセイ・カレージンが指導するドン・コサックは一時的に独立を果たしましたが、後に赤軍がこの地に進出し、1920年1月に白軍を追放しました。さらに、第二次世界大戦中の1942年7月24日には、ドイツ軍によって陥落。占領は1943年2月13日まで続きました。冷戦時代には1962年に市民の暴動が起きるなど、社会的な動乱もありました。この事件はソ連内における大規模な労働者蜂起として記憶されています。

2005年、町の創立200周年を記念して赤コサックと白コサックの和解の象徴としてペンディング碑が建立され、記念行事にはロマノフ家の一員も参加しました。

文化、名所

ノヴォチェルカッスクには多くの文化的な名所が存在します。中でも大聖堂は1890年から1905年にかけて建設され、ロシア南部で初めての大規模なコンクリート建築物として知られています。大聖堂前の日広場にはコサックの首領イェルマークの銅像があります。また、旧アタマンの宮殿も今なお市内に存在しており、ライプツィヒの戦いを記念した2つの凱旋門も残されています。

産業

ノヴォチェルカッスクの主要な産業には機関車工場NEVZがあり、2006年には約9,900人の従業員を抱え、年間260台の電気機関車やディーゼル機関車を製造していました。その他にもグラファイト工場や家具製造、食品加工などが盛んです。

教育

この地域には多くの大学や研究機関も存在します。特に南ロシア工科大学や軍電気通信大学、土地改良アカデミーなどが知られています。

出身者

ノヴォチェルカッスクの著名な出身者には、軍人・政治家のアレクサンドル・レベジや陸上選手のユーリ・セディフ、ユリア・グシチナなどがいます。

姉妹都市

ノヴォチェルカッスクは、ドイツのイーザーローン、フランスのLa Valette、ロシアのクロンシュタット、セルビアのスレムスキ・カルロヴツィと姉妹都市関係を結んでいます。

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