アレクセイ・ウルマノフ

アレクセイ・エヴゲーニエヴィチ・ウルマノフ。1973年11月17日、旧ソビエト連邦レニングラード生まれのフィギュアスケート界のレジェンドです。ロシア語読みでは「ウルマーナフ」に近い発音になります。

彼のキャリアは華麗なるものでした。1989年から1990年にかけて行われた世界ジュニア選手権でソビエト連邦代表として出場し、見事2位を獲得。翌シーズンからはシニアクラスに転じ、欧州選手権や世界選手権といった大舞台で活躍を始めます。ソビエト連邦崩壊後もロシア代表として、世界のトップスケーターとして名を馳せました。

1992年のアルベールビルオリンピックでは、独立国家共同体代表として出場。5位という結果に終わりましたが、その経験は後の活躍の礎となりました。そして迎えた1994年リレハンメルオリンピック。ショートプログラム、フリースケーティングともにトップの演技を披露し、金メダルの栄冠を手にします。この金メダルは、彼のキャリアにおける最高峰の輝きとなりました。

1995年から1996年にかけては、ISUグランプリシリーズ（当時チャンピオンシリーズ）に参戦。初代王者に輝くなど、その勢いは留まることを知りませんでした。1997年には欧州選手権で初優勝を飾り、世界の頂点に立ったかに思われました。しかし、同年の世界選手権では、予選、ショートプログラムとトップで滑り切ったものの、惜しくもケガによりフリースケーティングを棄権。世界チャンピオンの座を逃す結果となりました。このケガの影響で、長野オリンピック出場も断念せざるを得ませんでした。

1998年から1999年シーズン、ケガから復帰を果たしたウルマノフでしたが、そのシーズンを最後にアマチュアとしての競技生活に幕を閉じます。その後はプロスケーターとしてアイスショーなどで活躍。数々の観客を魅了しました。

近年は、指導者としての道を歩み始め、ソチのアイスバーグ・スケート・パレスでコーチとして活動しています。彼の指導を受けた選手たちの中には、世界で活躍するトップスケーターも多く輩出しています。セルゲイ・ボロノフ、ノダリー・マイスラーゼ、ジャン・ブシュ、ゴルジェイ・ゴルシュコフ、ニコル・ゴスヴィアニ、ポリーナ・アガフォノワ、アナスタシヤ・グバノワ、デニス・ヴァシリエフス、そして、ユリア・リプニツカヤなど、数多くの才能を育成してきたのです。

さらに、現在は国際スケート連盟の公式技術審判員も務めており、フィギュアスケート界への貢献は多岐に渡ります。選手として、そして指導者、審判員として、フィギュアスケート界に多大なる貢献を果たし続けているのです。彼の功績は、これからもフィギュアスケートの歴史に刻まれ続けることでしょう。

もう一度検索