アレクセイ・ロバノフ＝ロストフスキー

アレクセイ・ボリソヴィッチ・ロバノフ＝ロストフスキーの生涯

アレクセイ・ボリソヴィッチ・ロバノフ＝ロストフスキー（1824年12月30日 - 1896年8月30日）は、ロシア帝国の著名な政治家であり外務大臣として知られています。彼の出自は伝説の王子リューリクの子孫であるとされ、教育はロシアの名門リツェイで受けました。彼の政治キャリアは、20歳でロシア帝国外務省に入省することから始まります。1859年にはコンスタンティノープルに全権大臣として赴任し、1863年には一時公職を辞しましたが、4年後にはロシア帝国の内務大臣補佐官に復活し、以後10年間公職に従事しました。

外務大臣としての業績

1878年の露土戦争の終結後、ロバノフはアレクサンドル2世により大使としてイスタンブルに派遣され、その後のバルカン半島でのロシアの影響力を復活させました。彼は、前任者のニコライ・イグナチェフがもたらした混乱を収拾し、特にバルカン地域でのロシアの権益拡大に寄与しました。1879年にはロンドン、1882年にはウィーンで大使として勤務し、1895年3月には新皇帝ニコライ2世の下で外務大臣に任命されました。

ロバノフは外務大臣として、バルカン半島で積極的な外交政策を推進しました。スラヴ・ナショナリズムに対する政策は抑制的ながら、バルカン同盟を形成する背景となる国々への支援を強化し、セルビアとモンテネグロへの財政援助や武器供給を行いました。これにより、ロシアはオスマン帝国に対する影響力を一層強めました。

日本との外交

ロバノフはまた、日本との関係にも重要な役割を果たしました。1895年には日清戦争後の清国に対して日本から遼東半島を返還させるために三国干渉を行い、同年5月には清国大臣李鴻章との秘密会談を行い、「露清密約」を締結しました。これは相互防御同盟が目的の一つであり、またシベリア鉄道の一部を敷設する権利も認める内容でした。

さらに、山縣有朋との協議により「山縣・ロバノフ協定」を結び、李氏朝鮮の独立や軍隊の近代化について合意しましたが、ロバノフは日本側の提案した中立地帯の設置については拒否しました。この協定は日本にとっては不利な条件を含んだもので、ロシアの影響力を増大させる結果を招きました。

晩年と健康

ロバノフは多くの外交上の成功を収めましたが、彼の任期は1886年3月から1896年8月という短期間に過ぎませんでした。彼の業績はその大胆な外交手腕に支えられていましたが、1896年8月30日に皇帝同行中に心臓病で急死しました。彼はモスクワのノヴォスパスキー修道院に埋葬されています。

家族と遺産

ロバノフは生涯結婚せず、子どももありませんでした。父はボリス・アレクサンドロヴィッチで、彼自身はロシアの大貴族として名門の誇りを持っていました。彼はまた、ロシアの歴史に精通した知識人でもあり、特にロシアの家々の系譜については深い理解を示していました。彼が集めた膨大なコインコレクションは現在、国立ロシア美術館に収められています。彼にゆかりのある建物は、現在も日本のサンクトペテルブルク総領事館として使用されています。

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