アレサ・アライヴス

アレサ・アライヴス（Aretha Arrives）

『アレサ・アライヴス』は、アメリカの歌姫アレサ・フランクリンが1967年の8月にリリースしたスタジオアルバムです。この作品は、彼女がアトランティック・レコードに移籍した後の2作目のアルバムとなります。フランクリンのキャリアにおいて重要な転機となった作品であり、彼女の独自のスタイルと優れた音楽性を示しています。

背景

本アルバムには、フランクリンがすでに大ヒットを記録していた「貴方だけを愛して」の作者ロニー・シャノンによる楽曲「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」が含まれています。この曲は、彼女のキャリアをさらに飛躍させる要因となりました。また、ジョー・サウスが関わった楽曲も多く含まれており、彼の影響力が各トラックに色濃く反映されています。

制作過程では、いくつかの曲が録音されたセッションで生まれました。その中から「It Was You」、「The Letter」、「So Soon」という3曲はアウトテイクとして残され、2007年にリリースされた未発表音源集『Rare & Unreleased Recordings from the Golden Reign of the Queen of Soul』に収録されました。なお、1967年の6月23日にレコーディングされた楽曲「チェイン・オブ・フールズ」は、次のアルバム『レディ・ソウル』に収録されています。

反響・評価

アルバムは、アメリカのBillboard 200で5位を記録し、R&Bアルバム・チャートでは前作に続いて自身2度目の1位を獲得しました。シングルとしてリリースされた「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」は、Billboard Hot 100で4位、R&Bシングル・チャートでは栄えある1位に達しました。一方で、イギリスではこのシングルが全英シングルチャートで39位を記録したものの、アルバム自体は全英アルバムチャートにチャートインすることがありませんでした。

音楽評論家Cub Kodaはオールミュージックでこのアルバムを3点（5点満点中）として評価し、ヒット曲の「Baby, I Love You」に加え、フランクリンが「Satisfaction」や「You Are My Sunshine」、「Night Life」、「Ain't Nobody (Gonna Turn Me Around)」といった力強いバージョンや、個性的なカバーである「96 Tears」を披露している点が特に注目すべきだと指摘しています。

収録曲

アルバムに収められた楽曲のリストは以下の通りです：

• - (I Can't Get No) Satisfaction - 2:38（作詞：Mick Jagger, Keith Richards）
• - You Are My Sunshine - 4:23（作詞：Jimmie Davis, Charles Mitchell）
• - Never Let Me Go - 2:54（作詞：Joseph Wade Scott）
• - 96 Tears - 2:21（作詞：Rudy Martinez）
• - Prove It - 2:59（作詞：Randy Evretts, Horace Ott）
• - Night Life - 3:13（作詞：Willie Nelson, Walt Breeland, Paul Buskirk）
• - That's Life - 3:28（作詞：Dean Kay, Kelly Gordon）
• - I Wonder - 4:24（作詞：Cecil Gant, Raymond Leveen）
• - Ain't Nobody (Gonna Turn Me Around) - 2:36（作詞：Carolyn Franklin）
• - Going Down Slow - 4:32（Traditional / arr. by Aretha Franklin）
• - Baby I Love You - 2:36（作詞：Ronnie Shannon）

参加ミュージシャン

アルバムには、多くの才能あるミュージシャンが参加しており、フランクリン自身は全トラックでボーカルを担当し、一部の楽曲ではピアノも演奏しています。スプーナー・オールダムやトルーマン・トーマスなどのプロフェッショナルなミュージシャンが多く共演し、彼女の音楽にさらなる深みを与えました。特にフランクリンのバックを支えるムードをつくるための楽器演奏が、アルバム全体にわたり豊かさを加えています。

このアルバムは、アレサ・フランクリンの音楽キャリアにおける重要なマイルストーンとして、多くのファンや評論家から称賛され続けています。

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