アンサンブルofトウキョウ

アンサンブルofトウキョウは、1986年に日本を代表するフルート奏者であり指揮者でもある金昌国氏の発案により結成された、クラシック音楽における室内楽演奏団体です。このアンサンブルの大きな特徴は、そのメンバー構成にあります。日本の主要な音楽大学で教鞭をとる教授陣や、国内有数のオーケストラで長年首席奏者を務める実力派、さらには国際的なコンクールで輝かしい成績を収め、ソリストとしても活躍する音楽家たちが一堂に会しており、まさに日本クラシック界のトップランナーたちによって形成されています。

活動の軌跡と広がり

アンサンブルofトウキョウの活動の核となっているのは、東京・紀尾井ホールにて年間4回開催される定期演奏会です。結成以来、一貫して質の高い演奏を追求し続け、多くの音楽ファンを魅了してきました。特筆すべき節目として、2011年10月には、結成から25周年を迎えるとともに、定期演奏会が記念すべき100回目を数えました。これは、長年にわたる活動の蓄積と、聴衆からの厚い支持を示すものと言えるでしょう。また、彼らの活動は日本国内にとどまらず、海外公演も積極的に行っており、その洗練されたアンサンブルは国際的にも高い評価を得ています。

卓越したメンバー構成

アンサンブルを構成するメンバーは、それぞれが傑出した経歴を持つ演奏家ばかりです。創設者である金昌国氏は、日本音楽コンクール第1位、ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位（1位なし）といった受賞歴を持ち、長年にわたり東京芸術大学で教授を務めるなど、教育者としても大きな功績を残しています。ヴァイオリンセクションには、ロン＝ティボー国際コンクールでの日本人初の第1位に輝き、以後国際的なソリストとして活躍する小林美恵氏をはじめ、プラハの春国際コンクール第1位やバッハ国際コンクール第2位など、名だたる国際コンクールで上位入賞を果たした玉井菜採氏などが名を連ねており、その技術と音楽性の高さは疑いようがありません。また、元NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者経験者や、国内外のオーケストラで活躍した奏者、そして東京芸術大学、東京音楽大学などで後進の指導にあたる教育者が多数参加しており、各パートが最高のレベルで機能しています。ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ、チェンバロ、オーボエといった各楽器の奏者も、それぞれが主要なコンクールでの受賞歴や、国内外での活発な演奏活動、あるいは音楽教育における貢献など、輝かしい実績を持っています。

このような、個々がソリストとしても、オーケストラの主要メンバーとしても、教育者としても一流である音楽家たちが集まることで、アンサンブルofトウキョウは、室内楽という形式の中で、それぞれの個性を光らせつつ、緊密でダイナミックな音楽を創り出すことを可能にしています。彼らの演奏は、深い音楽理解と高度な技術に基づいた、説得力のある表現が特徴です。

受賞とその評価

長年の活動と高い演奏水準は、音楽界からも高く評価されています。2004年度には、第15回日本管打楽器アカデミー賞の特別部門を受賞しました。この賞は、日本の管楽器および打楽器界の発展に顕著な功績があった個人や団体に贈られるものであり、アンサンブルofトウキョウが室内楽、特に管楽器を含む編成において果たしてきた役割と、その音楽的貢献が認められたと言えるでしょう。

アンサンブルofトウキョウは、創設以来、日本の室内楽界を牽引する存在の一つとして、最高水準の演奏を提供し続けています。その活動は、メンバー個々の豊かな才能と経験に支えられており、今後のさらなる発展が期待されています。

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