金昌国

金昌国（きん しょうこく）

1942年6月4日 - 2022年7月15日。大阪府出身の韓国籍フルート奏者、指揮者。東京芸術大学名誉教授。

人物・来歴

在日韓国人として大阪に生まれ、神戸高校時代にフルートを始める。東京芸術大学および大学院を修了し、川口勝治郎、川崎優、吉田雅夫に師事。卓越した技術と音楽性で、国内外の音楽界に多大な影響を与えた。

1967年、日本音楽コンクール第1位を受賞。1969年には、ジュネーブ国際コンクールで第2位（1位なし）を獲得し、その才能を国際的に認められた。

1970年からはドイツのハノーファー国立歌劇場管弦楽団首席奏者を務め、マルセル・モイーズ、アンドレ・ジョネ、ハンス・ペーター・シュミッツに師事。ヨーロッパの音楽シーンで研鑽を積んだ。

1981年に帰国後、東京藝術大学に奉職し、後進の指導にあたる傍ら、ソリストとしての演奏活動を精力的に展開。1985年には、神戸国際フルートコンクールの審査委員長を務めた。

1986年にはアンサンブルofトウキョウを結成し、室内楽の分野でも新たな境地を開拓。NHK交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団をはじめとする日本の主要オーケストラや、ドイツ、韓国のオーケストラとも数多く共演。ロンドン、パリ、ローマ、ベルリンなどのヨーロッパ主要都市、ニューヨーク、バンコク、シンガポール、香港、台北などアジアの主要都市でもソリストとして活躍した。日本、韓国、ドイツのレーベルから20種類以上のレコード、CDをリリースしている。

アメリカ、ドイツ、スイス、イタリア、フランス、韓国など、国内外の著名な音楽祭にも多数参加。富士山麓国際音楽祭音楽監督、小布施国際音楽祭音楽監督、木津川やまなみ国際音楽祭ディレクターなども務め、音楽文化の振興に貢献した。

東京藝術大学フルート科教授として、次世代を担う多くのフルート奏者を育成。2006年度からは、東京藝術大学演奏芸術センター長を務めた。

日本音楽コンクール、神戸国際フルートコンクール、ミュンヘン国際音楽コンクール、大阪国際室内楽コンクール、ブダペスト国際音楽コンクールなど、国内外の主要なコンクールで審査員を務め、音楽界の発展に尽力した。

指揮者としても才能を発揮し、アンサンブルofトウキョウ、カンマーアカデミーさいたま（音楽監督）のほか、大阪チェンバーオーケストラ、九州交響楽団、大阪センチュリー交響楽団などで指揮活動を展開。2001年には神戸市文化賞を受賞。

2022年7月15日、老衰のため逝去。享年80歳。

家族・親族

子：青山聖樹 - NHK交響楽団首席オーボエ奏者

外部リンク

金昌国フルート 武蔵野音楽大学
* 神戸国際フルートコンクール

脚注

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