アンシュッツ・エンターテイメント・グループ

アンシュッツ・エンターテイメント・グループ (AEG)

アンシュッツ・エンターテイメント・グループ（AEG）は、アメリカに本拠を置く、スポーツや音楽エンターテイメントの分野でファランクスを誇る企業です。主に世界各国のスタジアム、スポーツチーム、エンターテイメントイベントを所有または運営しており、広範囲にわたる事業活動を展開しています。AEGの本社はロサンゼルスのL.A.ライブに位置し、親会社であるアンシュッツ・コーポレーションの子会社として機能しています。

企業の設立と歴史

AEGは、フィリップ・アンシュッツが油田開発で得た資金を背景に1990年代中頃に設立されました。彼はその後、スポーツと音楽エンターテイメント業界への進出を果たしました。ライブエンターテイメント部門である「AEGプレゼンツ」は、2002年以降に設立され、今では業界で第2位の名プロモーターとして知られています。AEGは、ロサンゼルス・レイカーズ（NBA）、ロサンゼルス・キングス（NHL）、ロサンゼルス・ギャラクシー（MLS）などのスポーツチームのオーナーとしても知られています。

主要な施設と運営

AEGは、アリーナやスタジアムを持つ他、いくつかの重要なイベント会場を経営しています。特にロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナ（旧ステイプルズ・センター）やディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークが有名です。また、ラスベガスのT-モバイル・アリーナやニューヨークのプレイステーション・シアターなど、世界中に展開しています。AEGは、これらの施設を利用した多彩なイベントを通じて、エンターテイメント界に大きな影響を与えています。

子会社とグローバルな展開

AEGの主要な子会社として、施設運営を行うAEGファシリティーズがあり、これは2019年にSMGと合併してASMグローバルとして新たに設立されました。ASMグローバルは、世界最大の会場運営会社であり、5大陸にわたる300以上の会場管理を手掛けています。また、音楽フェスティバルで有名なコーチェラ・フェスティバルを運営するGoldenvoiceもAEGの子会社の一つです。

さらに、標準的なチケット販売プラットフォームAXSを2011年に設立し、現在ではチケットマスターに次ぐ規模の企業となっています。AXSは、アリーナやスタジアムでのチケット販売を行い、2028年のロサンゼルスオリンピックの公式チケット販売も担当します。

日本での活動

日本におけるAEGの活動も目立ちます。大阪では万博記念公園駅前に大規模アリーナを建設中で、最大1万8000人を収容できる施設が予定されています。このアリーナは2027年秋のオープンを予定し、NBAの公式試合や国際的なフィギュアスケート大会の誘致が期待されています。また、愛知県名古屋市では、新体育館の整備にも参加し、2025年夏のオープンを目指しています。

さらに、2021年にエイベックス・エンタテインメントとの提携により、国際的なアーティスト育成を共に進める共同事業AEGXもスタートしました。AXSは日本にも進出しており、チケット販売の技術支援や国内の様々なスポーツイベントでの実績も持っています。

著名なイベントとアーティスト

AEG Presentsは、マイケル・ジャクソンのコンサート「This Is It」や、テイラー・スウィフト、ローリング・ストーンズ、BTSなど、多数の著名アーティストのツアーをプロモートしてきました。また、サッカー界においても、フィリップ・アンシュッツはメジャーリーグサッカーの共同設立者としても知られ、広くその名を馳せています。

AEGの影響力は、スポーツと音楽の両方の分野において計り知れず、今後もその成長と広がりが期待されています。

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