アンジュアン島

アンジュアン島

アンジュアン島（Anjouan）は、モザンビーク海峡に位置するコモロ諸島の一部であり、独自の歴史と豊かな自然が特徴の地域です。別名ヌズワニ島やジョハンナ島とも呼ばれ、コモロ連合に属しています。この美しい島に住む約30万人（2012年時点）の人々は、主にコモロ人で構成されており、日常的にはコモロ語を話し、イスラム教スンニ派を信仰する人が多いです。

地理

アンジュアンは火山島であり、地形は起伏に富んでいます。最高峰はンチングイ山で、標高1595メートルのこの山には火口湖のジアランゼ湖が広がっています。この地域の豊かな火山灰土壌は農業に適していますが、降水量が多く、数多くの河川が流れているものの、人口密度が高まりすぎているため、多くの高地森林が伐採され、耕地化が進められています。その結果、土壌の浸食や水資源の減少といった深刻な問題が発生しています。アンジュアンは、主島のグランドコモロ島に次ぐ経済力を持ちますが、高い人口密度がますます圧力となり、移民が他の島へと流出しています。特に、モヘリ島や、フランスの管轄下にあるマヨット島に向かう人々が増加傾向にあります。

生物多様性

ンチングイ山の周辺には独特の生態系が存在し、コモロオオコウモリやマングースキツネザルなど、特有の動植物が生息しています。これらの地域は2006年にラムサール条約に登録され、湿地帯の保護が進められています。

歴史

アンジュアン島はかつて独立した王国として栄えましたが、19世紀末にフランスの植民地となりました。1974年に行われた国民投票では独立を求める声が多く、1975年にはグランドコモロ島やモヘリ島と共にコモロ共和国として独立が宣言されました。しかし、その後も独立したにもかかわらず、グランドコモロ島からの支配に対する不満が高まり、1996年にはモヘリ島と共に再度の独立を宣言し、フランスに再植民地化を求める事態となりました。2001年からは、大統領が3島から輪番制で選ばれるシステムが導入され、2006年の大統領選挙ではムツァムドゥ出身のアフメド・アブドラ・モハメド・サンビが選出されました。

政治

アンジュアン島は高度な自治権を持っており、島内には独自の議会と大統領がいます。2007年、コモロ連合が新しい大統領を選出するための手続きに関して軍部との対立が発生し、憲兵隊の行動が島の政治に影響を与えました。008年3月、アフリカ連合の支援を受けた軍事作戦が実施され、タンザニア軍とスーダン軍が島に派遣されることで、憲兵隊の武装解除が進められました。

交通

アンジュアン島の交通は、北部にあるワニ空港や1985年に改修されたムツァムドゥ港を中心に発展しています。これにより、島と他の地域との交通が円滑になり、経済活動が促進されています。

このようにアンジュアン島は、地理的特徴、豊かな歴史、独自の文化を持つ地域であり、コモロの重要な部分を担っています。

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