モヘリ島

モヘリ島の概略

モヘリ島（モヘリとう、Mohéli）は、モザンビーク海峡に位置するコモロ諸島の一つで、別名ムワリ島（Mwali）またはモヒーラ島（Mohilla）と呼ばれています。2012年の統計によると、島の人口は約47,900人で、首都は北岸のフォンボニです。

地理

この火山島は他のコモロ諸島と比べて、標高が最も低くなだらかな地形を有しています。最高峰は790mのムツェ・ククレ山（Koukoule）であり、その周辺には豊かな森林が広がり、多くの河川が流れています。また、湿潤な気候が降水量を豊富にし、肥沃な土壌を育んでいます。モヘリ島は開発が遅れているため、人口密度が低く、他の島々からの移住者が増加しています。島の森には、コモロオオコウモリやマングースキツネザルなどの珍しい動物が生息しています。周囲の海域も生物多様性に富み、アオウミガメやザトウクジラ、ジュゴンの姿が見られます。特に2020年には、島とその周辺が生物圏保護区に指定され、南部のジアニ・ブドゥニ湖は1995年にラムサール条約の登録地となりました。

歴史

モヘリ島は歴史的に、アンジュアン島に属するヌズワニ・スルターン国の一部でしたが、1830年に独立してムワリ・スルターン国が成立しました。その後、1886年にはフランスの保護国となり、1909年にはフランスに併合され、スルターン制は廃止されました。1974年には独立に向けた国民投票が行われ、独立賛成派が勝利し、1975年にコモロとして独立を果たしました。しかし、独立後はグランドコモロ島に対する不満が高まり、経済の停滞や政府の失策が続いたため、1996年にアンジュアン島と共に再独立を宣言し、フランスに再植民地化を嘆願する運動が起こりました。その後、2001年に新憲法が採択され、自治権が拡大され、コモロ連合として新たな体制が整えられました。2011年には、モヘリ島出身のイキリル・ドイニンが連合大統領に選出され、2016年まで務めました。

住民と文化

モヘリ島には主にコモロ人が住んでおり、日常的に使用される言語はコモロ語です。宗教はイスラム教スンニ派が大多数を占めており、地域の文化や習慣には深く根付いています。島北岸のバンダル・エス・サラームには空港があり、他国との交通も行われています。島の独自の自然環境と文化は、多くの訪問者にとって魅力的な要素となっています。

モヘリ島は、その豊かな自然環境や歴史的背景、文化的多様性を持ちながら、未来に向けて活発に変化している地域です。

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