アンソニー・ディレル

アンソニー・ディレル：波乱に満ちたキャリアを持つ元WBC世界スーパーミドル級王者

アンソニー・ディレル（Anthony Dirrell）は、1984年10月14日生まれのアメリカ合衆国出身のプロボクサーです。ミシガン州フリントで生まれ育ち、元IBF世界スーパーミドル級暫定王者であるアンドレ・ディレルを兄に持つボクシング一家です。元WBC世界スーパーミドル級王者として知られ、そのアグレッシブなファイトスタイルで多くのファンを魅了してきました。

アマチュア時代

ディレルはアマチュアボクシングで実績を重ね、プロへの足がかりを作りました。2003年のナショナル・ゴールデングローブでは2回戦で敗退したものの、翌年の全米選手権では準決勝まで進出しています。また、2004年のアテネオリンピック国内予選選考会にも出場しましたが、決勝で惜しくも敗れ、オリンピック出場の夢は叶いませんでした。

プロ転向と初期のキャリア

2005年1月27日、ディレルはプロデビュー戦を1ラウンドTKO勝利で飾り、プロボクサーとしてのキャリアをスタートさせました。その後も順調に勝ち星を重ね、2011年12月2日には、アンドレ・ウォードへの挑戦権をかけた試合でレーナン・セト・ジェスターと対戦。試合は4回終了間際にジェスターが肩の異常を訴え、ディレルのTKO勝利となりました。この勝利でウォードへの挑戦権を獲得しましたが、その後のオートバイ事故により、長期のブランクを余儀なくされます。

ブランクからの復帰と世界王座への挑戦

2012年5月のオートバイ事故で足と腕を骨折し、約1年半のブランクを経て、2013年5月3日に復帰戦を行いました。復帰戦を判定勝利で飾ると、同年12月7日には、WBC世界スーパーミドル級王者サキオ・ビカに挑戦。しかし、試合は三者三様の引き分けに終わり、王座奪取には至りませんでした。この試合はポール・マリナッジ対ザブ・ジュダーの前座として行われ、大きな注目を集めました。

WBC世界スーパーミドル級王座獲得

2014年8月16日、ディレルはサキオ・ビカとのダイレクトリマッチに臨みました。前回同様、接戦が予想されましたが、12回判定で3-0の勝利を収め、見事WBC世界スーパーミドル級王座を獲得しました。この試合はショーン・ポーター対ケル・ブルックの前座として行われ、大きな注目を集めました。しかし、2015年4月25日には、バドゥ・ジャックとの初防衛戦で判定負けを喫し、王座から陥落してしまいました。

王座陥落後のキャリア

王座陥落後、ディレルは再起を図り、2015年9月6日には元WBC世界ミドル級暫定王者のマルコ・アントニオ・ルビオに判定勝ちを収めました。2017年にはバドゥ・ジャックの王座返上に伴うWBCスーパーミドル級王座決定戦の入札が行われ、ディレルが権利を獲得しましたが、カラム・スミスとの試合は実現しませんでした。

二度目の世界王座獲得と防衛失敗

2019年2月23日、ディレルはアブニ・イユリディンと空位のWBC世界スーパーミドル級王座決定戦で対戦し、アクシデントによるカットで試合続行不能となるも、負傷判定勝ちを収めて二度目の王座を獲得しました。しかし、同年9月28日、デビッド・ベナビデスとの防衛戦で9回TKO負けを喫し、王座を手放してしまいました。

その後のキャリア

2022年10月15日、ディレルはカレブ・プラントとのWBC世界スーパーミドル級挑戦者決定戦に臨みましたが、KO負けを喫し、再び世界王座への挑戦権を得ることはできませんでした。

主な獲得タイトル

WBC世界スーパーミドル級王座（2度）

関連情報

男子ボクサー一覧
世界ボクシング評議会(WBC)世界王者一覧
アンソニー・ディレル (@anthonydirrell) - Instagram
アンソニー・ディレル (@Anthonydirrell) - X（旧Twitter）
アンソニー・ディレルの戦績 - BoxRec（英語）

アンソニー・ディレルは、そのアグレッシブなスタイルと、常に挑戦を続ける姿勢で、多くのボクシングファンを魅了し続けています。今後も彼の活躍から目が離せません。

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