アンタークトペルタ

アンタークトペルタ

アンタークトペルタは、白亜紀後期に生息していたと考えられている恐竜です。鳥盤類に属し、鎧竜類の一種であるノドサウルス科に分類されています。ノドサウルス科の中では中型で、体長は約4メートルと推定されています（7メートルとする説もあります）。

特徴

ノドサウルス科は、鎧竜類の中でも原始的なグループに位置づけられています。アンキロサウルスのような攻撃的な武器は持たず、背中を覆う硬い鎧状の表皮で身を守っていました。歯や鎧の形状はノドサウルスの特徴を示していますが、詳細な分類はまだ確定していません。近年記載されたステゴウロスとの近縁性が指摘されており、アンタークトペルタも同様の尾の構造を持っていた可能性が考えられています。

発見史

アンタークトペルタの化石は、1986年1月に南極のジェイムズ・ロス島で発見されました。これは南極大陸で初めて発見された恐竜化石として記録されています。発見者は、アルゼンチンの地質学者であるエドゥアルド・オリベロとロベルト・スカッソです。

発見されたのは、3本の歯、下顎を含む頭骨の一部、首から尾にかけての椎骨の一部、四肢の一部、そして断片化した鎧などです。これらの化石は、約6メートル四方の範囲に散乱していましたが、同一の個体に由来するものと考えられています。

しかし、化石が発見された場所は凍土であり、厳しい気候条件のため、発掘作業には約20年の歳月を要しました。長年の氷雪による影響で、発見された化石の状態は良好とは言えませんでした。

2006年、アルゼンチンの古生物学者レオナルド・サルガドとズルマ・ブランドーニ・デ・ガスパリーニによって、この恐竜は「南極の盾」を意味するアンタークトペルタと命名されました。種小名のoliveroiは、発見者の一人であるオリベロに由来します。

南極で恐竜が発見されたのはこれが初めてでしたが、1993年にクリョロフォサウルスが発見され、先に命名されたため、アンタークトペルタは南極で2番目に命名された恐竜となりました。

まとめ

アンタークトペルタは、南極大陸における恐竜研究の幕開けを告げる重要な発見でした。その化石は、白亜紀後期の南極の生態系や、恐竜の進化に関する貴重な情報を提供してくれています。

参考文献

* 『講談社の動く図鑑 MOVE 恐竜』新訂版,小林快次／監修,講談社,2011,2017（新訂版第4刷）,ISBN9784062201032

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