アンディ・マッキー

アンディ・マッキー：革新的なアコースティックギタリスト

アンディ・マッキー（Andy McKee）は、1979年4月4日生まれのアメリカ人アコースティック・ギタリストです。CANdYRATレコードに所属し、その独創的な演奏スタイルと作曲の才能で、世界中のギターファンを魅了し続けています。

生い立ちと音楽への目覚め

カンザス州トピカで生まれたマッキーは、13歳の時に父親からアリア製のナイロン弦ギターをプレゼントされたのがきっかけでギターを始めました。当初は練習に身が入らなかったものの、エレキギター好きのいとこの励ましを受け、音楽への情熱を燃やし始めます。16歳の時、「音楽クリニック」でプレストン・リードのライブ演奏を目の当たりにし、衝撃を受けました。リード本人から教則ビデオを購入し、複雑なギターテクニックを習得していったといいます。高校を中退後、GED（大学入学資格検定試験）を取得。その後5年間は、マイケル・ヘッジス、ドン・ロス、ビリー・マクラフリン、パット・カートレー、トミー・エマニュエルといったギタリストたちから影響を受けながら、自身の演奏技術を磨き上げていきました。

キャリアの幕開けと躍進

2001年、初のアルバム『Nocturne』を発表。同年、カンザス州ウィンフィールドで開催された第3回ナショナル・フィンガースタイル・ギター・コンペティションに最年少で出場し、高い評価を得ます。2003年には、ジャック・ストッツェム、中川イサト、岸部眞明らと共に台湾ツアーを行い、国際的な舞台でも活躍。同年、カンザス・ミサレイニアス・アコースティック・インストルメント・コンテストで1位を獲得しました。

2004年には2枚目のアルバム『Dreamcatcher』をリリース。このアルバムでは、以前から共演経験のあったベーシスト、マイケル・マンリングとの共演曲を収録。同年、カンザス・フィンガースタイル・ギター・コンペティションで1位、カナディアン・フィンガースタイル・ギター・コンペティションで2位を獲得。

2005年には中川イサトの招聘で初来日を果たし、その後アルバム『Glory』を発表。中川へのトリビュート曲「Nakagawa-san」が収録されています。

YouTubeでのブレイクと世界的名声

2006年にCANdYRATレコードからリリースされたアルバム『Art of Motion』が、彼のキャリアを大きく飛躍させました。特に、収録曲「Drifting」の演奏動画がYouTubeのトップページで紹介されると、瞬く間に世界中で話題となり、数百万回の再生回数を記録。ドン・ロスをはじめとする多くのアコースティックギタリストから絶賛され、一躍その名を知られるようになりました。

その後の活躍

2007年には2度目の来日公演を行い、同年にはアルバム『The Gates of Gnomeria』を発表。ビョークの「Venus As A Girl」をギター多重録音でカバーするなど、既存のギターソロの枠にとらわれない音楽的な実験も試みています。2008年には、親友であるドン・ロスとのデュオアルバム『Thing That Came From Somewhere』を発表。2010年にはアルバム『Joyland』を発表し、リー・リトナーのアルバム『シックス・ストリング・セオリー』にもゲスト参加しています。また、ドリーム・シアターのオープニングアクトとしてツアーに帯同し、2012年には来日公演も行いました。

影響を受けたアーティストたち

マッキーが影響を受けたアーティストは多岐にわたりますが、主なものとして以下が挙げられます。

マイケル・ヘッジス
ドン・ロス
プレストン・リード
ビリー・マクラフリン
トミー・エマニュエル
ビョーク
エリック・ジョンソン

その他にも、イモージェン・ヒープ、メタリカ、ジョー・サトリアーニ、アイアン・メイデン、パンテラ、TOTO、ピーター・ガブリエル、キング・クリムゾン、プライマス、ニール・ヤング、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、パット・メセニー、ドリーム・シアターなど、幅広いジャンルの音楽から影響を受けていることが伺えます。

ディスコグラフィー

Nocturne（2001年）
Dreamcatcher（2004年）
Art of Motion（2006年）
The Gates of Gnomeria（2007年）
Joyland（2010年）
Common Ground（EP）（2009年）
Mythmaker（EP）（2014年）

アンディ・マッキーは、アコースティックギターの可能性を追求し続ける、現代音楽シーンにおける重要なアーティストの一人と言えるでしょう。

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