アンディ・マッケイ

アンディ・マッケイは、1946年生まれ、イングランド出身のロックミュージシャンであり、木管楽器奏者です。特に、1970年代グラムロックを代表するバンド、ロキシー・ミュージックのオリジナルメンバーとして、サクソフォーンとオーボエを担当したことで広く知られています。彼の音楽キャリアは、バンド活動に留まらず、ソロアルバムの制作やテレビ番組のサウンドトラックを手がけるなど、多岐にわたっています。

生い立ちと音楽への目覚め

マッケイはコーンウォールで生まれ、ロンドンで育ちました。音楽好きの父の影響で幼い頃からクラシック音楽に親しみ、一方でラジオから流れるポピュラー音楽にも魅了されました。中学校では、当初クラリネットを希望したものの、学校にオーボエしかなかったため、オーボエを始めることになります。その後、ギルドホール音楽演劇学校でオーボエを学び、ロンドン・スクールズ交響楽団で演奏するなど、クラシック音楽の素養を培いました。18歳の時にサクソフォーンを手にしたことが、彼の音楽キャリアに大きな転機をもたらします。

レディング大学に進学したマッケイは、音楽と英文学を専攻しました。大学時代には、クラシック音楽に加え、エルビス・プレスリーやスモーキー・ロビンソンなど、幅広いジャンルの音楽から影響を受けました。R&Bバンドやクラシック管弦楽団でオーボエやサクソフォーンを演奏する傍ら、ジョン・ケージやカールハインツ・シュトックハウゼンといった前衛音楽の作曲家にも興味を持ち、電子音楽の制作にも挑戦しました。この時期に、ブライアン・イーノと出会い、親交を深めたことが、後のロキシー・ミュージック結成へと繋がります。

大学卒業後、マッケイはミュージシャンになることを決意し、『メロディ・メイカー』誌にロックンロール・オーボエ奏者としての求人広告を出しましたが、仕事は見つかりませんでした。1960年代後半にはローマに1年間滞在し、帰国後はロンドンの学校で音楽教師として働きました。

ロキシー・ミュージックでの活躍

1970年冬、ブライアン・フェリーが『メロディ・メイカー』誌に出したキーボーディストの募集広告に応募したことがきっかけで、マッケイはロキシー・ミュージックに参加することになります。キーボーディストではなかったものの、当時最新鋭のVCS3シンセサイザーを持っていたことが、フェリーの目に留まりました。その後、イーノがバンドに加入し、マッケイ、フェリー、イーノを中心に、ロキシー・ミュージックはグラムロックシーンを席巻するバンドへと成長していきます。

ロキシー・ミュージックは、グラムロック全盛期にデビューし、他のロックバンドとは一線を画す音楽性で注目を集めました。マッケイのオーボエやサクソフォーンの演奏は、バンドサウンドに独特の彩りを与え、イーノの電子音楽的なアプローチと共に、ロキシー・ミュージックの音楽的特徴を形成しました。デビューアルバム『ロキシー・ミュージック』（1972年）以降、マッケイはバンドの主要メンバーとして活躍し、「ヨーロッパ哀歌」など、フェリーとの共作曲も発表しています。

1976年のバンド一時解散後、マッケイはテレビドラマ『ロック・フォリーズ』の音楽を担当し、サウンドトラックアルバムをプロデュースしました。このアルバムは、イギリスのアルバムチャートで1位を獲得するほどの成功を収めました。

ロキシー・ミュージック再結成とその後

ロキシー・ミュージックは1978年に再結成され、マッケイも再びバンドに合流しました。1979年には初の日本公演を行い、1982年のアルバム『アヴァロン』のツアー後、バンドは再び解散しました。

その後、マッケイはフィル・マンザネラらとエクスプローラーズを結成したり、マンザネラとの共同名義でアルバムを発表するなど、ソロ活動を続けました。また、ポール・マッカートニーのアルバムにも参加するなど、幅広い活動を展開しています。

2001年には、ロキシー・ミュージックの再結成ツアーに参加し、往年のファンを魅了しました。2019年には、ロキシー・ミュージックとしてロックの殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。

アンディ・マッケイは、ロキシー・ミュージックのメンバーとしてだけでなく、ソロアーティストとしても、常に新しい音楽の可能性を追求し続けています。彼の音楽的な探求心と才能は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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