アントニオ・パッパーノ

アントニオ・パッパーノ

アントニオ・パッパーノ（Sir Antonio Pappano, 1959年12月30日 - ）は、イギリス生まれのイタリア系指揮者です。

人物・来歴

イタリア人の両親のもと、イギリスのエセックス州エピングで生まれました。幼少期から音楽に親しみ、アメリカへ渡りピアノと作曲を学びます。その後、各地の歌劇場でコレペティトールとして経験を積み、研鑽を重ねました。バイロイト音楽祭では、ダニエル・バレンボイムのアシスタントを務めたこともあります。

1987年、ノルウェー・オスロのノルウェー歌劇場でデビューを果たし、1990年からは音楽監督として本格的なキャリアをスタートさせました。1992年からは、ベルギー・ブリュッセルにあるベルギー王立歌劇場（モネ劇場）の音楽監督に就任し、同歌劇場の水準を飛躍的に向上させるなど、その手腕を発揮しました。1999年には、かつてアシスタントとして参加したバイロイト音楽祭に、ワーグナーの楽劇『ローエングリン』を指揮してデビューし、注目を集めました。

2002年からは、ロンドンの名門歌劇場であるロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に迎えられ、現在に至るまでその重責を担い、オペラ界を牽引する存在として活躍を続けています。シンフォニーの分野では、1997年からイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めたほか、2005年から2023年まで、イタリアの聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団の音楽監督を務めました。

パッパーノは、その音楽的才能と功績が認められ、2012年にイタリア共和国大統領ジョルジョ・ナポリターノよりイタリア共和国功労勲章を授与されました。さらに、エリザベス女王からはナイトの称号を授与されています。

2023年からは、ロンドン交響楽団の首席指揮者（Chief Conductor Designate）に就任し、今後の活躍が期待されています。

参考文献

Maeckelbergh, Lucrèce, Antonio Pappano: Con Passione. Snoeck, 2006 ISBN 9053495274.
『音楽現代1月号』株式会社 芸術現代社、2022年。

外部リンク

Full Biography at IMG Artists
Antonio Pappano biography at Royal Opera House Covent Garden
* Interview with Antonio Pappano by Bruce Duffie, December 8, 1996

もう一度検索