アンドニ・イラオラ

アンドニ・イラオラ

アンドニ・イラオラ・サガルナ（Andoni Iraola Sagarna, 1982年6月22日 - ）は、スペイン、バスク自治州出身の元プロサッカー選手であり、現在は指導者として活動しています。現役時代は主にミッドフィールダー（右サイドハーフ）やディフェンダー（右サイドバック）としてプレーし、長年在籍したアスレティック・ビルバオでは、右サイドの主軸としてホセバ・エチェベリアの系譜を継ぐ存在と見なされていました。現在は、プレミアリーグのAFCボーンマスの監督を務めています。

選手時代

故郷バスク地方のクラブ、アスレティック・ビルバオの下部組織で育ったイラオラは、CチームのCDバスコニア、そしてBチームのビルバオ・アスレティックを経て、2003年8月30日のFCバルセロナ戦でトップチームでの公式戦初出場を果たしました。この2003-04シーズン以降、彼はレギュラーに定着。右サイドバックというポジションながら、7シーズンにわたりリーグ戦で年間30試合以上に出場し続け、攻撃面でも毎シーズン最低1得点を記録するなど、チームの攻撃に厚みをもたらしました。ペナルティキックやフリーキックのキッカーを務めることもありました。特に印象的なのは、宿敵レアル・ソシエダとのバスクダービーでの活躍です。2006年1月21日にはロスタイムに劇的な同点ゴールを決め、翌2007年1月28日には敵地エスタディオ・アノエタで2得点を挙げるなど、ダービーマッチにおける勝負強さを見せました。

アスレティック・ビルバオには下部組織時代を含め15年間在籍しましたが、2014-15シーズン終了をもって契約満了によりクラブを退団しました。その後、2015年6月16日にはアメリカ・メジャーリーグサッカー（MLS）のニューヨーク・シティFCへ移籍。1シーズン半プレーした後、2016年11月18日に自身のSNSを通じて現役からの引退を表明しました。

代表チーム

国際舞台では、まずU-21スペイン代表としてプレー。2003年からは故郷バスク地方の代表チームにも選出されています。スペインA代表には、2008年8月20日に当時のビセンテ・デル・ボスケ監督によって初めて招集され、デンマーク代表との親善試合でフル代表デビューを果たしました。2011年までに国際Aマッチ7試合に出場しましたが、得点を挙げることはありませんでした。

指導者キャリア

現役引退後、指導者の道へ進んだイラオラは、2018年6月18日にキプロスのAEKラルナカで監督キャリアをスタートさせました。

2019-20シーズンにはスペインに戻り、セグンダ・ディビシオンB（3部リーグ相当）から昇格したばかりのCDミランデスを指揮しました。チームをセグンダ・ディビシオン（2部リーグ）に残留させただけでなく、同シーズンのコパ・デル・レイでは破竹の快進撃を演じます。セルタ・デ・ビーゴ、ビジャレアルCF、セビージャFCといったプリメーラ（1部）の強豪クラブを次々と撃破し、クラブをベスト4まで導くという偉業を成し遂げ、その手腕が広く注目されました。

ラージョ・バジェカーノ

その活躍が評価され、2020-21シーズンからは同じく2部リーグに所属していたラージョ・バジェカーノの監督に就任。就任初年度にチームをセグンダで6位に導き、昇格プレーオフを勝ち抜いてプリメーラ・ディビシオンへの昇格を達成しました。

続く2021-22シーズンは昇格チームながら躍進を続け、特にホームゲームでは強豪相手にも勝ち星を重ね、FCバルセロナを破るなどサプライズを起こしました。リーグ戦序盤は上位争いに加わる好調ぶりを見せ、第18節終了時にはリーグ4位という快挙を達成しました。シーズン後半には勢いがやや衰えたものの、残留争いに巻き込まれることなく最終順位を12位で終え、1部定着に成功しました。また、同シーズンのコパ・デル・レイでもチームを40年ぶり2回目となるベスト4進出に導きました。これらの実績が評価され、2022年5月19日にラージョ・バジェカーノとの契約を1年間延長しました。

2023年2月には、当時プレミアリーグで苦戦していたリーズ・ユナイテッドFCが監督として招聘を試みましたが、ラージョのサポーターやクラブはこの移籍を認めませんでした。結果的に、イラオラはこの2022-23シーズン終了後、ラージョとの契約更新を断る形でクラブを去ることになりました。

AFCボーンマス

ラージョ退団後、2023年6月19日にはイングランド・プレミアリーグのAFCボーンマスの監督に就任することが発表されました。契約期間は2年間で、新たな挑戦の舞台をイングランドに移しています。

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