アンドラステ (競走馬)

アンドラステ：挫折を乗り越えた競走馬の物語

2016年3月17日、社台コーポレーション白老ファームで誕生したアンドラステは、競走馬として華々しいキャリアを歩み始める。一口馬主制度を通じて多くのファンに支えられ、2,000万円で募集された期待の若駒だった。

3歳（2019年）のデビュー戦では、京都芝1600ｍの新馬戦で見事な逃げ切り勝ちを収める。しかし、その後、左前脚の第1指骨剥離骨折というアクシデントに見舞われ、手術を受けることになる。長期の休養を余儀なくされたアンドラステは、復帰後も才能を遺憾なく発揮し、勝利を重ねる。しかし、3歳時は西部スポニチ賞で2着に敗れ、その後も骨瘤の発見により再び長期休養を余儀なくされた。

4歳（2020年）になると、復帰戦となる4歳以上2勝クラスで快勝し、3勝目を挙げる。続く武庫川ステークスでは3着と初めての連対を外すものの、パールステークスでは見事勝利を収め4勝目を飾る。重賞初挑戦となったエプソムカップでは4着、関屋記念では3着と惜しくも表彰台に届かなかったが、持ち前の能力の高さを示した。しかし、京成杯オータムハンデキャップでは10着と初めての惨敗を経験。その後、ターコイズステークスでは2着と健闘するも、重賞初制覇には届かなかった。

5歳（2021年）には、京都金杯を予定していた矢先に左前脚副管骨の骨折が判明し、再び長期休養を強いられる。6か月ぶりの復帰戦となったマーメイドステークスでは4着に終わるも、続く中京記念では好位からレースを進め、直線で先頭に立って押し切り、2着カテドラルに3/4馬身差をつけて優勝。重賞初制覇を飾った。この勝利は、牝馬による中京記念制覇としては1999年のエリモエクセル以来22年ぶりという快挙だった。しかし、関屋記念では8着と振るわず、秋シーズンは府中牝馬ステークスとターコイズステークスで2着と好走したものの、勝利には届かなかった。

6歳（2022年）の京都金杯を予定していたが、左前脚の球節部分に炎症が見つかり、直前で回避。エコー検査の結果、炎症がけい靱帯までに及んでいることが判明し、現役を引退することとなった。1月6日付で競走馬登録が抹消され、生まれ故郷の白老ファームで繁殖牝馬としての第二の人生を歩み始めた。

アンドラステの競走生活は、数々の困難と勝利、そして惜敗が織りなすドラマチックな物語だった。幾度となく襲いかかった怪我を乗り越え、持ち前の才能と闘志で数々のレースを戦い抜いた姿は、多くの競馬ファンに感動と勇気を与えた。その輝かしい功績は、これからも語り継がれていくことだろう。

※競走成績の詳細については、JBISサーチ、netkeiba.com等を参照。

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