アンドレア・タフィ

アンドレア・タフィ：不屈の精神で石畳を制した「剣闘士」

アンドレア・タフィ（Andrea Tafi）は、1966年5月7日生まれのイタリア人元プロロードレース選手です。トスカーナ州出身で、1989年にプロデビュー、2005年に引退しました。彼はその力強い走りと、ハンドル上部を持って先頭を引く姿から「il Gladiatore（剣闘士）」の異名で親しまれました。

マペイ黄金時代を支えた中心選手

タフィは、ヨハン・ムセウ、ミケーレ・バルトリらと共に、1990年代最強と謳われたプロチーム・マペイ（Mapei）の中核を担いました。特にクラシックレースでの活躍が目覚ましく、数々の勝利をチームにもたらしました。

輝かしい戦績

プロデビュー後、しばらくは目立った成績を残せずにいましたが、マペイへの移籍を機に才能が開花。1996年のジロ・ディ・ロンバルディア優勝を皮切りに、1998年にはイタリア選手権を制覇。そして、1999年には「北の地獄」と称されるパリ〜ルーベで優勝、2002年にはロンド・ファン・フラーンデレンでも勝利を飾るなど、主要なクラシックレースを制覇しました。

1996年 ジロ・ディ・ロンバルディア 優勝
1998年 イタリア選手権 優勝
1999年 パリ〜ルーベ 優勝
2002年 ロンド・ファン・フラーンデレン 優勝

マペイ解散後は、チームを転々としながらも現役を続けましたが、以前のような成績を残すことはできず、2005年に引退。現在は故郷のトスカーナで、自転車をテーマにした旅行会社を経営し、第二の人生を歩んでいます。

ジャパンカップとの縁

タフィは1996年から1998年にかけてジャパンカップに出場し、4位、2位、4位という成績を残しています。特に1997年には、チームメイトの阿部良之選手に勝利を譲るためにアシストに徹し、感動的なワンツーフィニッシュを演出しました。観客を魅了する素晴らしい瞬間でした。

ドーピング問題

2013年、フランス上院の調査により、1998年のツール・ド・フランスで採取された血液サンプルから、タフィにエリスロポエチン（EPO）の使用が認められました。これは彼のキャリアにおける汚点として記録されています。

その他エピソード

サイクルキャップの上部を切り取り、サンバイザーのようにして被るのがトレードマークでした。
マペイがパリ〜ルーベで1996年、1998年、1999年の3回にわたり表彰台を独占した全てのレースに関わっています。これは、彼がこのレースを得意としていたことの証左と言えるでしょう。
引退レースとして臨んだ2005年のパリ〜ルーベでは、石畳を模した特製ジャージを用意しましたが、UCIの規定違反で罰金処分を受けています。

所属チーム

1989年 Eurocar
1990-1991年 セライタリア
1992-1993年 カレラ
1994-2002年 マペイ
2003年 チームCSC
2004年 アレッシオ・ビアンキ
2005年 サウニエルデュバル・プロディール

外部リンク

* アンドレア・タフィ - サイクリングアーカイヴス（英語）

アンドレア・タフィは、その闘志あふれる走りで多くのファンを魅了した偉大なロードレース選手でした。ドーピング問題は残念ですが、彼の残した功績は色褪せることはありません。

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