アンドレイ・キリレンコ (政治家)

アンドレイ・パヴロヴィチ・キリレンコは、1906年にロシア帝国（現在のベルゴロド州）で生まれました。彼はウクライナ人で、ソビエト連邦の政治家として、ソ連共産党の政治局員兼書記を務めました。

キリレンコは、労働者階級の家庭に育ち、若い頃は電気工や錠前工として働きました。その後、1920年代後半からコムソモール活動に参加し、1931年には全連邦共産党に入党しました。1936年にルビンスク航空技術大学を卒業後、ザポロージェ機関工場で設計技師として勤務しましたが、1938年から党活動に専念するようになります。彼はザポロージェ州の党幹部として、同地域の産業政策に貢献しました。

その後、キリレンコはドニエプロペトロフスク州とスヴェルドロフスク州の党組織でも要職を歴任し、ブレジネフの後任としてドニエプロペトロフスク州党第一書記に就任しました。1962年には政治局員となり、1965年からはソ連共産党書記（組織担当）として、党内での影響力を強めていきました。彼は「灰色の枢機卿」と呼ばれたミハイル・スースロフとイデオロギー担当を共有していたとも言われています。

キリレンコの昇進には、ブレジネフとの密接な関係が大きく影響していたと言われています。彼は、長らくブレジネフ、ポドゴルヌイ、コスイギン、スースロフに次ぐ党内序列5位に位置し、ソ連共産党の最高実力者の一人と見なされていました。1973年には、ブレジネフの後継者として認知されたとの見方も出ていましたが、その後両者の関係は悪化しました。1977年から1978年にかけて、組織担当の権限はブレジネフの腹心であるチェルネンコに奪われました。

1982年1月に行われたスースロフの葬儀では、キリレンコの序列は最下位に降格され、同年3月には政治局員を解任されました。しかし、失脚後も、ブレジネフの後継を争うアンドロポフに接近し、引退後も不遇な状況は免れました。1983年6月には最高会議でその姿がテレビ放映され、代議員の拍手の中で引退しました。1990年5月12日、83歳で亡くなりました。

キリレンコは、ソ連共産党において重要な役割を果たした政治家でした。彼の生涯は、ソビエト連邦の政治体制における権力闘争と、その中で翻弄される人々の姿を象徴していると言えるでしょう。

関連項目

ボリス・エリツィン - 組織担当としてスヴェルドロフ州党委員会第一書記に引き上げた
共産主義

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