書記

書記

書記（しょき）という言葉は、主に文字を用いて記録を残す行為や、その職業に従事する者を指します。さらに、特定の地位や団体における幹部職においてもこの用語は用いられます。この言葉の歴史は古く、中国古代の『漢書』では手紙の意でも使われており、その後、時代を経て多義的な意味を持つようになりました。

歴史的背景

後漢時代に入ると、「書記」という概念は単なる文書の記録にとどまらず、文学的な文体としても認識されました。特に、後漢末から三国時代にかけて、散文の代表として「書記」の名が挙げられ、詩賦という韻文に対する対称をなしました。南北朝時代では、その意味がさらに広がり、公文書に限らない様々な文書や歴史記録、帳簿の記録などを指す言葉として使われるようになりました。

例えば、漢末から魏の時代には、公的文書の「書記」は権力者に信任された文学者が代筆することが一般的とされ、その文書の内容を広く知識として学ぶことが重要視されました。この時代には、漢の歴史書である『北史』や『隋書』の中で、「渉猟書記」という表現が使われ、文書に対する知識を示しています。

書記という職務は、文書に付随すると考えられる文字の書体や字形、さらには紙上での文字の配置などの総体を指すこともあり、これを学問の一分野として捉えることができるのが「書記論」です。また、文書作成に従事する幕僚を指すこともあり、明代の『南彊逸史』では戦死した者に「書記」として名を記している例もあります。

政党における書記

共産主義政党では、書記が指導者の名として使われることが一般的です。特にその中で、書記長や総書記という役職は最高権力者に位置づけられます。例えば、スターリンがこの地位を象徴的に示す存在で、彼が党内の雑務を引き受けたことが、書記が権力を握るきっかけとなったという説が有力です。スターリンのもとでは、党の運営が彼の手中に収斂し、最終的には書記の役割が最高権力者として認識されるようになりました。

地方政府における書記

日本においては、書記は地方公共団体の議会事務局や選挙管理委員会、監査委員事務局に置かれる職務であり、議長や選挙管理委員、監査委員によって任免されます。法律に基づいて多くの職務や役割が定められており、地方自治法や地方公務員法に従って、書記の役目が遂行されます。
例えば、議会事務局や選挙管理委員会、監査委員事務局における具体的な規定は、地方自治法第138条、第191条、第200条に基づいています。

イタリアでは、県やコムーネに書記が置かれ、首長によって任命される制度があります。ここでの書記は、議会や理事会に助言を行い、議事録を作成し、地方団体が関与する契約書の作成も行います。

結論

書記という役職は、歴史的にも日本国内外の政治システムの中で特に重要な役割を担っており、文書の作成や議事の記録にとどまらず、権力の構造やその運営に深く関与しています。

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