アンドレイ・セルジュコフ

アンドレイ・ニコラエヴィチ・セルジュコフ（Андрей Николаевич Сердюков、1962年3月4日 - ）は、ロシア連邦軍の大将です。彼の軍歴は、ソ連時代のリャザン空挺軍大学卒業から始まり、ロシア連邦軍での様々な役職を経て、空挺軍司令官や南部軍管区司令官を歴任しました。特に、クリミア併合やドンバスでの軍事作戦において重要な役割を果たした人物として知られています。

ソ連軍時代

セルジュコフは、1962年3月4日にロストフ州で生まれました。1983年にリャザン空挺軍大学を卒業後、第104親衛空挺師団連隊偵察中隊に配属され、偵察小隊長としてキャリアをスタートさせました。その後、副中隊長、中隊長、参謀長、副大隊長、大隊長と順調に昇進を重ねました。この間、彼は空挺部隊の様々な任務を経験し、卓越した指揮能力を養いました。

ロシア軍時代

1993年にフルンゼ軍事大学を卒業した後、セルジュコフは第76親衛空挺師団の連隊副連隊長に就任し、第一次チェチェン戦争に従軍しました。1995年には、同師団の第237親衛空挺連隊の指揮官となり、激戦地での指揮経験を積みました。1997年から1998年にかけては、第104親衛空挺連隊で参謀長、副連隊長、連隊長を歴任し、その後、同師団の副師団長に昇進しました。また、コソボのロシア軍部隊では副旅団長として1年間勤務し、プリシュティナ空港事件にも参加しました。さらに、チェチェン共和国での2度のローテーション勤務も経験しています。

2002年3月10日、セルジュコフはレニングラード軍管区の第138独立親衛自動車化狙撃旅団の旅団長代理に就任し、同年7月11日に旅団長に正式に就任しました。2003年6月9日まで同旅団を指揮した後、2004年6月から2007年まで、第106親衛空挺師団の師団長を務めました。2009年に参謀本部軍事アカデミーを卒業した後は、第5諸兵科連合軍の副司令官を経て、2011年1月に同連合軍の司令官に昇進しました。

2013年2月には南部軍管区の副司令官となり、同年10月4日には参謀長及び第一副司令官に就任しました。この間、セルジュコフは南部軍管区の作戦を統括し、その軍事戦略能力を発揮しました。

クリミアとドンバス

2014年春のロシアによるクリミア併合において、セルジュコフはロシア軍を率いました。この作戦における彼の役割は非常に重要であり、ロシアの軍事戦略を成功に導く上で不可欠でした。また、2015年8月には、ドンバスでロシア軍グループを指揮し、コードネーム「セドフ」を用いて作戦を遂行しました。これらの作戦により、セルジュコフはロシア軍の主要な指揮官としての地位を確立しました。

空挺軍司令官

2016年10月4日、セルジュコフはウラジーミル・シャマノフ大将の後任としてロシア空挺軍の司令官に任命されました。10月10日にはセルゲイ・ショイグ国防相から空挺旗を授与され、空挺部隊の指揮を執りました。しかし、2022年6月に解任されるまでこの職を務めました。

在任中の2017年9月15日には、ムルマンスク州で空挺演習を監督中に交通事故に遭い、重傷を負いました。幸い命に別状はありませんでしたが、この事故はロシア国内で大きく報道されました。

その他の作戦

2019年4月から9月にかけて、セルジュコフはシリア内戦におけるロシア軍部隊の司令官を務めました。また、2022年1月7日には、カザフスタンのCSTO平和維持軍の司令官に任命されました。さらに、2022年2月には、ロシアのウクライナ侵攻において、派遣されるロシア軍部隊の指揮官になる可能性も報じられました。しかし、2022年6月19日には、ウラジーミル・プーチンによって解任され、後任にはミハイル・テプリンスキー大将が就任しました。

解任後、2022年6月16日には南部軍管区司令官に任命されたと報じられ、2023年にはシリア派遣部隊司令官に任命されたことが明らかになりました。

受賞歴

セルジュコフは、その軍事における功績により数々の賞を受賞しています。

ロシア連邦英雄（2016年）
3等・4等祖国貢献勲章（剣付）
アレクサンドル・ネフスキー勲章
勇敢勲章
名誉勲章
3等ソ連軍祖国貢献勲章
武功勲章
ロシア連邦名誉軍事専門家

セルジュコフは、その長い軍歴と数々の作戦での活躍により、ロシア軍における重要な人物の一人として広く知られています。

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