アンビオリクス (競走馬)

アンビオリクスII：フランスからアメリカへ羽ばたいたサラブレッド

1946年、フランスで誕生したアンビオリクスIIは、競走馬として、そして種牡馬として、華々しい成功を収めたサラブレッドです。同じ名前の競走馬が1940年に存在したため、アンビオリクスIIと呼ばれることが多いです。彼の父はフランスのリーディングサイアー、トウルビヨン。母ラヴェンデュラは、ファロスを父に持つ名牝で、他に数々の優秀な繁殖牝馬を産みました。アンビオリクスIIは、フランスのマルセル・ブサック氏所有の牧場で生まれ育ちました。

競走馬時代：中距離のスペシャリスト

調教師シャルル・センブラの手腕のもと、アンビオリクスIIは競走馬としてのキャリアをスタートさせます。2400メートルを超える長距離よりも、1600メートルから2000メートルの距離を得意としていました。

2歳時には、フランスの重要な2歳レースであるグランクリテリウムを制覇。イギリス遠征でも勝利を収め、3戦2勝という優秀な成績で最優秀2歳牡馬に選出されました。

3歳になると、サンクルー競馬場とロンシャン競馬場で重要なレースを制覇。さらに、ジョッケクルブ賞で2着に入るなど、その実力を証明しました。これらの勝利はすべて2000メートル戦でのものでした。

種牡馬時代：アメリカでの成功

競走馬を引退したアンビオリクスIIは、ブサック氏によってアメリカ合衆国へと輸出されます。ブサック氏は、アンビオリクスの距離適性から、アメリカ競馬での活躍を期待したのです。25万ドルという高額でシンジケートに売却され、ケンタッキー州にあるクレイボーンファームで種牡馬としての新たなキャリアを歩むこととなりました。

アメリカでアンビオリクスIIは、その真価を発揮します。51頭ものステークスウィナーを輩出し、1961年には北米リーディングサイアーに輝きました。さらに、彼の産駒であるラグーサの活躍により、1963年には英愛リーディングブルードメアサイアーの称号も獲得。その成功は、彼の卓越した能力を証明するものです。

1972年に種牡馬を引退。1975年、老衰のため29歳で安楽死の処置が取られ、クレイボーンファームの墓地に埋葬されました。

代表的な産駒

アンビオリクスIIは多くの名馬を輩出しました。その中には、ハリウッドゴールドカップを制したPleasure Seeker、フラミンゴステークスを制したPrego、アメリカ2歳牝馬チャンピオンとなったHigh Voltageなど、数々の活躍馬が名を連ねます。これらの馬たちは、アメリカ競馬の歴史にその名を刻んでいます。

また、母の父としての活躍も目覚ましく、アイリッシュダービーやキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制したRagusaなど、数多くの名馬を生み出しました。

アンビオリクスIIの遺産

アンビオリクスIIは、競走馬、種牡馬として、フランスとアメリカの競馬界に大きな足跡を残しました。彼の血統は、現在も多くのサラブレッドに受け継がれ、その影響は現代競馬においても色濃く残っています。彼の生涯は、サラブレッドの能力と血統の偉大さを物語る、感動的な物語と言えるでしょう。フランスで生まれ、アメリカで成功を収めたアンビオリクスIIの物語は、競馬史に燦然と輝く一ページです。

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