アンヘレス

アンヘレス市：歴史と多様な顔を持つ都市

フィリピン・ルソン島の中央に位置するパンパンガ州にあるアンヘレス市は、多様な歴史と文化が交錯する都市です。かつてはアメリカ軍のクラーク空軍基地が存在し、その関連産業で栄えましたが、現在では経済特区として新たな発展を遂げています。

歴史

アンヘレス市周辺は、ピナトゥボ山の豊かな自然に育まれてきました。山麓にはアエタ族が狩猟生活を送り、肥沃な土地では米などの農耕が盛んに行われていました。ピナトゥボ山の噴火後も、周辺地域には多くの人々が居住しており、アンヘレス市やクラーク空軍基地跡地を中心に人口が集中しています。

産業

かつてのクラーク空軍基地は、『クラーク経済特別区』として生まれ変わり、国内外からの企業誘致が積極的に行われています。特に日系企業の進出が目覚ましく、横浜タイヤをはじめとする多くの企業が拠点を構えています。

また、アンヘレス市は教育機関が集まる学生都市としても知られています。パンパンガ州だけでなく近隣の州からも学生が集まり、留学先としても人気があります。しかし、学生都市としてのインフラ整備には課題も残されています。

クラーク国際空港を拠点に、パイロットライセンス取得のために滞在する外国人もいます。比較的安価にライセンスを取得できるため、世界中からパイロットを目指す人々が集まります。

歓楽街

アンヘレス市北部には、旧米軍基地跡地を利用した歓楽街「ゴーゴーバー」が存在します。この地域は世界的に有名で、多くの観光客が訪れます。かつては取り締まりの対象となったこともありますが、現在もアンヘレス市の経済を支える重要な要素となっています。

近年では、韓国人経営のバーが増加し、コリアンタウン化も進んでいます。

交通

アンヘレス市は交通の要所でもあります。マニラ首都圏からは長距離バスで2～3時間、クラーク国際空港からは世界各地へのアクセスが可能です。かつてはフィリピン国鉄の駅もありましたが、現在は廃止されています。

姉妹都市・提携都市

アンヘレス市は、国内外の複数の都市と姉妹都市・提携都市の関係を結んでいます。アメリカのラスベガス、パラオのコロール、韓国の大邱市などが海外の姉妹都市であり、国内ではダバオ、カバナチュアン、サンフェルナンド、ヴァレンズエラといった都市と提携しています。

ビリヤード文化

アンヘレス市は、ビリヤードのキューや台の生産地として知られるだけでなく、娯楽としても非常に人気があります。世界的なビリヤード選手であるエフレン・レイズの出身地でもあり、ビリヤードはアンヘレス市の文化の一部となっています。

アンヘレス市は、その多様な側面から、フィリピンの現代社会を象徴する都市の一つと言えるでしょう。

関連項目

ゴーゴーバー
クラーク国際空港
* ピナトゥボ山

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