アンモナイト (Plastic Treeのアルバム)

Plastic Treeの11枚目のオリジナルアルバム『アンモナイト』は、2011年4月6日に徳間ジャパンコミュニケーションズからリリースされました。

概要

前作『ドナドナ』から約1年3ヶ月半ぶりのリリースとなる本作は、初回限定盤と通常盤の2形態で発売されました。初回限定盤には、DVD「Thirteenth Friday Music Clip」と「月世界旅行〜アジア編〜 オフショット映像」が付属。通常盤にはボーナストラック「spooky」が収録されています。メンバー全員が作詞・作曲を手掛けており、特にドラムの佐藤ケンケンは本作で初の作詞・作曲に挑戦しました。ドラマーが作詞・作曲を行うのはPlastic Treeにとって初の試みです。

アルバムは「変化」と「原点」という相反するテーマを内包しています。制作が大詰めを迎えていた2010年12月、ヴォーカルの有村竜太朗が難病であるギラン・バレー症候群を発症。療養期間を経て回復後、アルバムは完成を迎えました。後半に収録された「さびしんぼう」、「〜作品「ammonite」〜」、「ブルーバック」は、有村の退院後に完成した楽曲であり、特に「さびしんぼう」は歌詞が全面的に書き換えられ、有村自身の闘病経験が色濃く反映されています。

タワーレコードでは、「日常と地続きの幻想性、夜間にひとりで思考を空転させているかのような、現実から少し浮いた空気感のある作品」と評されています。

収録曲 (通常盤)

1. Thirteenth Friday
作詞：長谷川正、作曲：有村竜太朗
全編英語詞で、シューゲイザーサウンドを前面に押し出した楽曲。元々は日本武道館ライブ「テント②」のSEとして制作されたもので、My Bloody Valentineの「Only Shallow」を意識して作られました。アルバム収録曲としては初のMVが制作されました。
2. ムーンライト――――。(アンモナイト版)
作詞・作曲：有村竜太朗、長谷川正
29thシングル。イントロがシングル版と異なります。日本テレビ系『小熊のベア部屋』2010年7月度エンディングテーマ。
3. 退屈マシン
作詞・作曲：ナカヤマアキラ
4. みらいいろ (アンモナイト版)
作詞：有村竜太朗、作曲：長谷川正
30thシングル。テレビ東京系アニメ『遊☆戯☆王5D's』第5期エンディングテーマ。
5. 雪月花
作詞：佐藤ケンケン、作曲：有村竜太朗
ドラム・佐藤ケンケンの初作詞曲。
6. アイラヴュー・ソー
作詞・作曲：有村竜太朗
7. アリア
作詞：長谷川正、作曲：ナカヤマアキラ
8. デュエット
作詞・作曲：ナカヤマアキラ
プログレッシブ・ロックの特徴を前面に押し出した楽曲。
9. バンビ (アンモナイト版)
作詞：有村竜太朗、作曲：長谷川正
29thシングル「ムーンライト――――。」のカップリング曲。イントロがシングル版と異なります。歌詞は有村が亡き父へ宛てて書いたもので、曲はザ・スミスの「This Charming Man」を意識して作られました。
10. さびしんぼう
作詞・作曲：有村竜太朗
有村のギラン・バレー症候群からの回復後に歌詞が大幅に書き換えられました。
11. 〜作品「ammonite」〜
作曲：Plastic Tree
インストゥルメンタル曲。
12. ブルーバック
作詞：有村竜太朗、作曲：佐藤ケンケン
ドラム・佐藤ケンケンの初作曲。エレクトロっぽい浮遊感のある楽曲で、アルバムを締めくくる1曲。1曲目の「Thirteenth Friday」とは異なる浮遊感が特徴。
13. spooky (通常盤のみ収録)
作詞・作曲：長谷川正
ボーナストラック。「ブルーバック」で完結したアルバムに急遽追加された楽曲。ライブでの演奏感を意識して作られ、他の収録曲とは異なるグランジ、オルタナティブな要素が盛り込まれています。

初回限定盤

CD：通常盤と同様
* DVD：「Thirteenth Friday Music Clip」、「月世界旅行〜アジア編〜 オフショット映像」

『アンモナイト』は、Plastic Treeの新たな一面を示すとともに、有村の病からの復活という背景も相まって、特別な意味を持つ作品となりました。

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