アンリ2世・ド・モンモランシー

アンリ2世・ド・モンモランシーの生涯

アンリ2世・ド・モンモランシー（Henri II de Montmorency, 1595年4月30日 - 1632年10月30日）は、フランスの貴族であり、優れた軍人でもあった。彼は第4代モンモランシー公として1614年からその生涯を終えるまで在位し、ラングドック総督としてもその名を馳せた。

幼少期からの優遇

アンリ2世は、父アンリ1世・ド・モンモランシーと母ルイーズ・ド・ビュドの間に、シャンティイで生まれた。フランス王アンリ4世が代父を務めたことから、彼は王家から常に優遇され、若い頃から宮廷や民衆の人気を集める存在となった。この特別な環境の中で、彼は成長し、1612年には大提督に任命され、その後1614年には父から爵位を継承した。

軍人としてのキャリア

アンリは軍事の分野での才能を発揮し、1620年にはヌーベルフランスの副王に任命され、1625年までその職責を全うした。また、プロテスタントと戦う中で重要な役割を果たし、モントーバンやモンペリエの包囲戦に参加した。1625年に内戦が勃発した際には、フランス王を援助する艦隊がオランダから派遣され、アンリはこの部隊において重要な指揮官として活躍した。

この年、彼はスービーズ公バンジャマン・ド・ロアン率いるプロテスタント艦隊を打ち破り、レ島とオレロン島を占領する戦果を挙げた。しかし、リシュリュー枢機卿の嫉妬により、その成功を活かす機会は奪われた。

ピエモンテ戦争とフランス元帥の称号

1628年から1629年にかけ、アンリは王軍の指揮を執り、ユグノーの名将ロアン公の軍と交戦し、勝利を収めた。1630年にはピエモンテにおけるスペインとの戦争において名声を得、この際ヴェイッラーネの戦いで勝利を収め、フランス王の指揮下で戦闘の最前線に立った。彼の戦功が評価され、その年にフランス元帥の称号を授けられた。

政治的陰謀と最期

アンリの名声と影響力が頂点に達した頃、彼はリシュリュー枢機卿に対立する派閥に加わる誘惑を受けることになる。1632年には、彼がラングドック総督として集めた資金と兵力を背景に、王弟オルレアン公ガストンの支持を受けて行動を起こす。しかしこの試みは失敗に終わり、カステルノーダリの戦いでアンリは敗北を喫した。

重傷を負い捕らえられたアンリは、かつての盟友に見捨てられ、リシュリュー枢機卿によって処刑されることとなる。彼の助命を求める声はフランス全土から上がったが、最終的には無駄に終わり、処刑は非公開で行われることとなった。彼は1632年10月30日にトゥールーズで斬首され、その死は多くの人々に衝撃を与えた。モンモランシー公位は、彼の姉であるコンデ公妃シャルロット＝マルグリットが継承した。

アンリ2世・ド・モンモランシーの人生は、戦士としての栄光と、政治的陰謀に巻き込まれた悲劇的な結末によって彩られており、彼の名はフランスの歴史に深く刻まれている。

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