アン清村

アン・清村：ウィンブルドンを制した日系アメリカ人テニス選手

アン・清村（アン・キヨムラ、Ann Kiyomura, 1955年8月22日 - ）は、アメリカ・カリフォルニア州サンマテオ郡出身の元女子プロテニス選手です。彼女は1975年のウィンブルドン選手権女子ダブルスで、日本の沢松和子とペアを組んで優勝したことで広く知られています。日系人3世であり、父親はアメリカ人のテニスコーチ、母親は日本で2位のテニス選手でした。現在は結婚して Ann Kiyomura Hayashi （アン・キヨムラ・ハヤシ）という名前になっています。

ジュニア時代の活躍とウィンブルドンの栄光

アン・清村は、1973年のウィンブルドン女子ジュニア部門で優勝を果たしており、決勝戦では当時から注目されていたマルチナ・ナブラチロワを 6-4, 7-5 で破っています。1975年のウィンブルドン選手権女子ダブルスでは、沢松和子とのペアで決勝に進出。決勝では、フランソワーズ・デュール（フランス）＆ベティ・ストーブ（オランダ）という強豪ペアと対戦しました。

沢松と清村は、決勝でも臆することなく伸び伸びとプレーし、7-5, 1-6, 7-5 という大接戦を制して、ウィンブルドン女子ダブルスのタイトルを獲得しました。この優勝は、沢松にとっては日本人女性として初の4大大会優勝となり、日本に空前のテニスブームを巻き起こすきっかけとなりました。また、アン・清村にとっても、「アジアン・アメリカン」の女性として初のウィンブルドン優勝者となる快挙でした。沢松和子は、この偉業を達成した1975年限りで現役を引退しています。

ジャパン・オープンでの単複2冠

1978年、アン・清村はジャパン・オープンで女子シングルスとダブルスの単複2冠を達成しました。シングルス決勝では、日本の米沢そのえを破って優勝。ダブルスでは佐藤直子とペアを組みましたが、対戦相手の棄権により不戦勝での優勝となりました。このシングルスタイトルは、アン・清村にとって唯一のものです。

引退後と日系アメリカ人スポーツ殿堂入り

アン・清村は、1985年2月のトーナメントを最後に現役を引退しました。2002年には、新しく設立された「日系アメリカ人スポーツ殿堂」に、「日系人スポーツ選手の開拓者」として殿堂入りを果たしました。彼女の功績は、日系アメリカ人のスポーツ界におけるパイオニアとしての地位を確立したと言えるでしょう。

アン・清村のテニス界への貢献は、ウィンブルドンでの優勝だけでなく、その後の世代の選手たちに大きな影響を与えました。彼女の活躍は、日系アメリカ人のスポーツ史に燦然と輝く功績として、これからも語り継がれていくことでしょう。

アン清村のプロフィール（英語）
日系人検索サイト（英語）

アン清村 - WTAツアーのプロフィール （英語）
アン清村 - 国際テニス連盟

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