ベティ・ストーブ

ベティ・ストーブ（Betty Stöve, 1945年6月24日 - ）は、オランダ・ロッテルダム出身の元女子プロテニス選手です。彼女は、1977年のウィンブルドン選手権で準優勝を果たし、4大大会の女子ダブルスで6勝、混合ダブルスで4勝を挙げた名選手として知られています。身長180cm、体重70kgの体格から繰り出される、右利きの力強いテニスが特徴でした。WTAツアーでは、シングルスで2勝、ダブルスで11勝を記録しています。

ストーブは、「オランダ貴婦人」（Dutchess）という敬称で呼ばれていました。彼女のテニススタイルは、強力なサーブとボレーを軸としたアグレッシブなものでした。

1964年に現役選手としてのキャリアをスタートさせ、同年から女子テニス国別対抗戦・フェデレーションカップ（現在の名称はフェドカップ）のオランダ代表選手として活躍しました。1977年のウィンブルドン選手権では、決勝で地元イギリスのバージニア・ウェードと対戦しました。会場はウェードを応援する観客で埋め尽くされ、異様な熱気に包まれていました。ストーブは第1セットを6-4で先取しましたが、続く2セットを3-6、1-6で落とし、惜しくも準優勝に終わりました。ウェードは、イギリス人選手として現時点で最後のウィンブルドン優勝者となっています。また、ストーブ以降、4大大会の女子シングルス決勝に進出したオランダ人選手はまだ現れていません。同年には全米オープンでもシングルス準決勝に進出しましたが、第1シードのクリス・エバートに3-6、5-7で敗れています。

ストーブはダブルスの名手としても知られており、1972年には4大大会の女子ダブルスで年間3冠を達成しました。全仏オープンとウィンブルドンではビリー・ジーン・キングと、全米オープンではフランソワーズ・デュール（フランス）とペアを組んで優勝しています。その後はデュールとペアを組むことが多く、1975年のウィンブルドン女子ダブルス決勝では、沢松和子とアン清村のペアに敗れています。混合ダブルスでは、フルー・マクミラン（南アフリカ）とのペアで4勝を挙げています。

ストーブは1983年にシングルス・キャリアとフェドカップ代表としての活動を終えましたが、ダブルスの試合には1985年まで出場していました。現役引退後は、国際テニス連盟（ITF）の経営委員を務めたこともあります。また、1980年から1990年までハナ・マンドリコワのコーチを務め、その才能開花に貢献しました。

4大大会ダブルス優勝
全仏オープン　女子ダブルス：2勝（1972年・1979年）
ウィンブルドン　女子ダブルス：1勝（1972年）／混合ダブルス：2勝（1978年・1981年）　［女子シングルス準優勝：1977年］
* 全米オープン　女子ダブルス：3勝（1972年・1977年・1979年）／混合ダブルス：2勝（1977年・1978年）

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