アーケードゲームのタイトル一覧 (1990年代)

1990年代アーケードゲームの隆盛

1990年代は、アーケードゲーム業界にとって非常にエキサイティングな時代でした。様々なジャンルで革新的なヒット作が生まれ、ゲームセンターは多くの人々で賑わいました。1980年代後半からのゲームセンター郊外進出に加え、大規模小売店舗法の緩和による大型商業施設の誕生も後押しとなり、大型筐体ゲームを中心に多彩な作品が登場しました。

対戦格闘ゲームブームの到来

1991年に[カプコン]]から発売された『ストリートファイターII』(以下『ストII』)は、社会現象とも言えるほどの対戦格闘ゲームブームを巻き起こしました。その革新的なゲームシステムと魅力的なキャラクターは、多くのプレイヤーを魅了し、ゲームセンターに長蛇の列を作りました。同年にはSNKの『餓狼伝説』も登場し、『ストII』と並び称される人気を博しました。『餓狼伝説』は、当時SNKが開発したアーケード基板、[[Multi Video System]を使用しており、美しいグラフィックと、乱入対戦システムが特徴的でした。

ハードウェアの進化とゲーム内容の多様化

カプコンは、『ストII』などの主要タイトルにCPシステム基板を採用する一方で、アクション性の低いゲームには旧来の8bit基板を使用するなど、ゲームの内容に合わせて基板を使い分ける戦略を取りました。後に『スーパーストリートファイターII』では、CPシステムの強化版であるCPシステムIIを採用し、グラフィックやサウンドの表現力を向上させました。

しかし、1990年代初頭には、アーケードゲームの内容がマンネリ化しているという指摘もありました。当時のカプコン社長、辻本憲三は、人気キャラクターを使用した良作が家庭用ゲーム機では売れても、業務用ではそこまで売れないことや、ハードウェアの性能限界、体感ゲーム開発の高コストなどを理由に挙げています。そのような状況の中、ナムコはソニー・コンピュータエンタテインメントの久夛良木健にPlayStationと互換性のあるSYSTEM11基板の開発を依頼し、より高度な表現を可能にしました。

新しいジャンルの開拓

1997年には、タイトーの『電車でGO!』が登場し、鉄道シミュレーションという新たなジャンルを確立しました。電車の運転手になりきって、正確な運行をシミュレートするゲーム性は、幅広い層に受け入れられました。また、同年には弾幕系シューティングゲームの基礎を築いた『怒首領蜂』が登場し、シューティングゲームの新たな可能性を示しました。

1997年12月には、コナミの『beatmania』が音楽ゲームというジャンルを切り開きました。ヒップホップやハウスミュージックに合わせてDJプレイを楽しむという斬新なアイデアは、若者を中心に爆発的な人気を博し、その後の音楽ゲームブームの火付け役となりました。コナミはその後、『DanceDanceRevolution』、『pop'n music』、『GUITARFREAKS』、『drummania』と、次々に音楽ゲームをリリースし、アーケードゲーム市場を席巻しました。

1990年代は、アーケードゲームが多様化し、様々なジャンルで新たな可能性が生まれた時代でした。対戦格闘ゲーム、鉄道シミュレーション、音楽ゲームなど、数々の名作がゲームセンターを彩り、多くの人々に忘れられない思い出を刻みました。

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