アーサー・アッシュ・スタジアム

アーサー・アッシュ・スタジアム

アーサー・アッシュ・スタジアムは、ニューヨーク市クイーンズ区のフラッシング・メドウにある、テニス専用競技場です。世界最大の規模を誇り、全米オープンテニスのメイン会場として非常に重要な役割を果たしています。このスタジアムは、アフリカ系アメリカ人テニスプレーヤーであり、著名な人権活動家でもあるアーサー・アッシュの名を冠しており、彼の功績を称えるために1997年にオープンしました。以前はルイ・アームストロング・スタジアムが存在していましたが、アーサー・アッシュ・スタジアムの開場に伴ってその役割を引き継ぎました。

ウィンブルドンや全豪オープンなど世界各地のテニス大会の中でも、全米オープンは特に注目されており、アーサー・アッシュ・スタジアムはその中心的な会場です。スタジアムでは、全米オープンの開幕前にアーサー・アッシュ・キッズデーというイベントも行われ、若いテニス選手たちやファンが集まる特別な日となっています。

このスタジアムには、22,547席の観客席が設けられており、90のスイートルームとともに、5つのレストランや2つのラウンジも完備されています。また、スタジアムが位置するフラッシング・メドウは、MLBのニューヨーク・メッツの本拠地であるシティ・フィールドにも近く、野球とテニスを同時に楽しむことができるのも魅力の一つです。そのため、ファンは自分の好きなスポーツを観戦しやすくなっています。

時折、アーサー・アッシュ・スタジアムではテニス以外のイベントも開催されています。例えば、2008年には女子バスケットボールリーグWNBAの「ニューヨーク・リバティ対インディアナ・フィーバー」の試合が行われ、2019年には人気のオンラインゲーム「フォートナイト」のワールドカップ決勝大会もこの地で実施されました。また、2021年にはAEWプロレスイベントも行われ、多様なジャンルのイベントを受け入れる柔軟さが示されています。

スタジアムの施設も充実しており、2013年にはアメリカンテニス協会（USTA）によって、5億5000万ドルの予算をかけて開閉式屋根の取り付けが決定されました。2016年にはこの屋根が完成し、その年の全米オープンから使用が始まりました。特に、男子シングルス2回戦でラファエル・ナダルとアンドレアス・セッピの試合の途中で、公式戦初めての屋根が使用されたことが注目を集めました。

アクセスに関しては、ニューヨーク市地下鉄の7系統を利用し、メッツ-ウィレッツ・ポイント駅で下車すれば、すぐにスタジアムに到着します。また、ロングアイランド鉄道のポート・ワシントン支線を使ってもアクセス可能で、特にニューヨーク・メッツの試合が開催される際には、この駅が営業するため、便利な交通手段となります。

アーサー・アッシュ・スタジアムは、多くのファンに愛され続ける場所であり、世界中のテニスファンにとって特別な存在です。

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