アーサー・B・マクドナルド

アーサー・ブルース・マクドナルド

アーサー・ブルース・マクドナルド（Arthur Bruce McDonald）は、1943年8月29日生まれのカナダの物理学者で、特にニュートリノに関する研究で知られています。彼はサドバリー・ニュートリノ観測研究所（SNO）の所長としても活動しており、オンタリオ州キングストンのクイーンズ大学で素粒子天体[[物理学]]の教授も務めています。2015年には、日本の梶田隆章とともにノーベル[[物理学賞]]を受賞しました。通称アート・マクドナルドとしても知られる彼の業績は、物理学界で高く評価されています。

生い立ち

マクドナルドはカナダのノバスコシア州、シドニーに生まれました。彼の学問の旅は、1964年にダルハウジー大学で物理学の学士号を取得することから始まりました。次いで、1965年には同大学で修士号を取得し、1969年にはカリフォルニア工科大学で物理学の博士号を取得しました。これらの学問的な礎は、彼の後の研究活動に大きな影響を与えました。

研究歴

マクドナルドは1970年から1982年にかけて、オタワに近いチョーク・リバー研究所で研究官として活動しました。その後、1982年から1989年までプリンストン大学で物理学の教授として教鞭を執り、1989年以降はクイーンズ大学に移籍しました。彼はクイーンズ大学での活動を続けながら、2015年には同大学のUniversity Research Chairに就任しました。

研究内容

マクドナルドの研究の中心テーマは、ニュートリノの質量に関する問題です。このテーマは長年にわたって素粒子物理学において議論されてきました。1960年代後半から、ニュートリノが質量を持つ可能性が実験的に示唆されるようになり、太陽が非常に多くのニュートリノを放出する理論に対して、実際に検出された数が理論値よりも少なかったことがその一因です。ニュートリノには3つの種類（電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ）があり、これらが変化する可能性が指摘されていました。

2001年、彼が率いた研究チームはサドバリーの地下2千メートルの地点に設置されたサドバリー・ニュートリノ観測所で、太陽からの電子ニュートリノが実際にはミューニュートリノやタウニュートリノに振動する現象を観測しました。これにより、ニュートリノには質量があることが実証され、物理学界において重要な発見となりました。この成果は『フィジカル・レビュー・レターズ』に発表され、多くの注目を集めました。

受賞・栄誉

マクドナルドはその業績により、数多くの賞を受賞しています。以下に主な受賞歴を挙げます。

• - 2003年 ヘルツバーグメダル
• - 2003年 トム・W・ボナー原子核物理学賞
• - 2004年 ブルーノ・ポンテコルボ賞
• - 2006年 カナダ勲章（オフィサー）
• - 2007年 ベンジャミン・フランクリン・メダル（戸塚洋二と共同受賞）
• - 2007年 トムソン・ロイター引用栄誉賞（戸塚洋二と共同受賞）
• - 2009年 王立協会フェロー
• - 2011年 カナダ王立協会ヘンリー・マーシャル・トーリー・メダル
• - 2015年 ノーベル[[物理学賞]]（梶田隆章と共同受賞）
• - 2016年 基礎物理学ブレイクスルー賞

アーサー・ブルース・マクドナルドの研究は、ニュートリノ物理学の発展に大きな影響を与え続けています。彼の成果が将来の科学研究に与える影響は計り知れず、今後も多くの研究者や学生への刺激となることでしょう。

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