ダルハウジー大学

ダルハウジー大学：カナダ東海岸を代表する歴史と伝統ある大学

ダルハウジー大学は、カナダのノバスコシア州ハリファックスに位置する、歴史と伝統を誇る州立大学です。1818年の創立以来、カナダ東海岸における教育機関として最大規模を誇り、医学、法学、経営学、海洋学、環境学など、多岐にわたる分野で質の高い教育と研究を提供しています。

設立と歴史

ダルハウジー大学は、1818年、当時ノバスコシア植民地総督であったダルハウジー伯爵ジョージ・ラムゼイによって創設されました。米英戦争後の状況を踏まえ、階級や宗教に関係なく全ての人々に開かれた教育機関を目指して設立された点が特徴です。創設理念には、宗教的寛容の精神が強く反映されています。当初は資金難や運営上の課題に直面しましたが、幾多の困難を乗り越え、1838年に最初の学生を受け入れました。その後、一時閉鎖を挟みながらも、1863年に再興し、今日に至るまで発展を続けています。

1880年代には、George Munro氏からの多額の寄付により、大学の財政基盤が強化され、学生数も増加しました。この功績を称え、毎年2月第1金曜日はMunro Dayとして休講日となっています。1889年にはハリファックス芸術学校を統合し、1936年には行政研究所を設立するなど、教育・研究分野の拡大を図ってきました。

1920年には、カナダ英語圏最古の大学であるキングス・カレッジが火災により焼失。キングス・カレッジはその後、ハリファックスに移転し、ダルハウジー大学と提携関係を築きました。現在でもキングス・カレッジは独立した大学として存在していますが、人文科学や理学部の授業をダルハウジー大学と共有するなど、密接な連携が続いています。

1960～70年代には、キャンパスを拡大し、スタッドリーキャンパス、カールトンキャンパスなどを整備しました。また、1997年にはノバスコシア工科大学を、2012年にはノバスコシア農科大学を統合し、大学の規模と教育範囲をさらに拡大しました。

キャンパス

ダルハウジー大学はハリファックス市街に3つの主要キャンパス（スタッドリー、カールトン、セクストン）を有しています。これらはほぼ一直線上に配置されており、中心部に近い順に配置されています。さらに、ハリファックス郊外トルロにも農学部キャンパスがあります。

スタッドリーキャンパス: メインキャンパスで、図書館、学生会館、運動施設などが集中しています。
カールトンキャンパス: 医学部、歯学部などが所在。エリザベス女王2世健康科学センター、IWK婦人小児科病院と連携しています。
セクストンキャンパス: 以前はノバスコシア工科大学でしたが、現在は工学部を中心に設置されています。
トルロキャンパス: 農学部が所在しています。

学部とプログラム

ダルハウジー大学は、総合大学として建築、人文社会科学、音楽、芸術、コンピュータ科学、工学、医学、歯学、法律、経営学、理学、農学など、幅広い分野の学部とプログラムを提供しています。特に、医学部や法学部は、著名な政治家や専門家を多く輩出することで知られています。

特徴

ダルハウジー大学は、キングス・カレッジとの連携、近隣の大学との学生交流、充実した交換留学プログラムなど、多くの特徴を持っています。特に、交換留学プログラムは60カ国以上の大学と提携しており、日本からも多くの学生が留学しています。また、革新的なビジネススクールとしても評価が高く、国際的な賞を受賞しています。さらに、『赤毛のアン』のモデルとなった大学としても有名で、大学敷地内には、作品に登場するレドモンド大学のモデルとなった建物があります。ユニークな取り組みとして、期末試験期間中の学生のストレス軽減のために、小動物との触れ合いを支援する活動なども行っています。

著名な卒業生

ダルハウジー大学は、カナダ首相をはじめ、多くの著名な卒業生を輩出しています。例として、リチャード・ベッドフォード・ベネット、ジョー・クラーク（いずれもカナダ首相）、L・M・モンゴメリ（『赤毛のアン』の作者）などが挙げられます。

まとめ

ダルハウジー大学は、歴史と伝統、そして革新性を兼ね備えた、カナダを代表する大学の一つです。幅広い分野の教育・研究、国際的な交流、そしてユニークな取り組みを通して、世界に貢献する人材育成に努めています。

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