アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン

アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン（Art Center College of Design）は、アメリカ・カリフォルニア州パサデナに本部を置く非営利の私立美術大学です。1930年にロサンゼルスのダウンタウンに創設され、当初は「アートセンター・スクール」と名付けられました。それ以来、アートセンターは数十年にわたり、芸術とデザインの教育を推進してきました。

歴史的沿革

アートセンターは、1935年にフレッド・アーチャーによって写真学科が設立されたことで注目を集めました。この時期、著名な写真家のアンセル・アダムスが客員講師として教壇に立つなど、名だたる指導者たちが関与していました。第二次世界大戦中及び戦後には技法的イラストレーション講座がカリフォルニア工科大学と連携して実施され、1947年に新校舎が旧カムノック女子学校の跡地に移転しました。この頃から学生数が激増し、税別の大学としての体務が整っていきました。

1949年には学士号と修士号の授与を開始し、1955年にはアメリカ西部大学学校協会から完全に大学と認定されることとなりました。そして1965年には現在の名称、アート・センター・カレッジ・オブ・デザインに改名されたのです。

その後、1973年には新たな映像学科が設立され、1976年にはパサデナのヒルサイド・キャンパスに移転しました。さらに1986年から1996年にかけては、アートセンター・ヨーロッパとしてスイスにキャンパスを運営し、2003年には国際連合の広報局から非政府組織（NGO）として認定を受けました。2004年にはサウス・キャンパスが設立され、現代的な学びの場を提供しています。

教育プログラム

アートセンターでは、学部及び大学院においてアートとデザインに関する多様な学科を履修することができます。また、一般向けのカリキュラムも充実しており、子どもや大人向けの公開授業や生涯学習のプログラムがロサンゼルス市内で開催されています。特にインタラクションデザイン専攻は、限られた大学の一つとして高い評価を受けています。

アートセンターの特色として、職業訓練学校からスタートした歴史があります。特に、退役軍人が商業美術を学ぶ場として、深い社会貢献の意識を根付かせたのです。2003年にはその功績が認められ、デザイン学院として初めて国連からNGOとしての認可を受けました。アートセンターのロゴはオレンジの円で、創立者の理念が引き継がれています。大学は、アメリカ西部大学学校協会およびアメリカ美術大学協会に認証されています。

大学ランキング

美術大学は一般の大学ランキングに登場することは少ないですが、アートセンターは多くの媒体において高く評価されています。特にインダストリアルデザイン学科は『デザイン・インテリジェンス』誌から継続的にナンバーワンとされ、アート学科やメディアデザイン・プラクティス学科も『USニューズ＆ワールド・レポート』誌で上位ランクに入る実績を持っています。これにより、アートセンターの卒業生は他大学の卒業生に比べて高い初任給を得る傾向にあります。

キャンパス施設

アートセンターは、パサデナ内にヒルサイド・キャンパスとサウス・キャンパスの2つのキャンパスを持っています。ヒルサイド・キャンパスはクレイグ・エルウッドのデザインによるもので、1976年から教育への利用が始まりました。広大な235エーカーの敷地に、教室やスタジオ、図書館、モデルショップなどの最新の設備が整えられています。また、サウス・キャンパスは2004年に開設され、さまざまな専門学科が配置された新しい学びの空間として機能しています。

日本との関係

アートセンターは、1950年代から日本との関係を深め、特に工業デザインの教育において国際的な交流が図られました。通商産業省の支援により、日本のデザイン研究員の留学が進められるなど、国際的な視野を持つ人材育成に寄与してきました。

卒業生の著名人

多くの著名な卒業生を輩出しており、映画監督のマイケル・ベイやザック・スナイダー、デザイナーの奥山清行など、各界で成功した卒業生がいます。アートセンターは世界のデザイン界での地位を確立し、未来のクリエイターを育成し続けています。

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