アーネスト (ヨーク・オールバニ公)

ヨーク＝オールバニ公アーネスト・オーガスタスの生涯

ヨーク＝オールバニ公アーネスト・オーガスタス（1674年9月7日 - 1728年8月14日）は、初代ハノーファー選帝侯エルンスト・アウグストとプファルツ選帝侯女ゾフィーの六男として生まれました。兄にはグレートブリテン王ジョージ1世がおり、姉にはブランデンブルク選帝侯妃ゾフィー・シャルロッテがいます。

生い立ちと初期の経歴

1674年、アーネスト・オーガスタスは、父エルンスト・アウグストがオスナブリュック司教であったため、最初の5年間をオスナブリュックで過ごしました。1679年に父がブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公となると、一家はハノーファーに移住しました。当時のドイツ諸侯の子息の慣習に従い、20歳となる年にアムステルダムを経由してフランスのヴェルサイユ宮廷を訪問し、フランス王家から歓迎を受けました。

軍人としての活躍

フランス宮廷訪問後、アーネスト・オーガスタスは軍人としての道を歩み始めます。ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク家が神聖ローマ皇帝レオポルト1世を支持したため、大同盟戦争ではフランス軍と戦い、1693年のネールウィンデンの戦いにも参加しました。その後もスペイン継承戦争において、1708年のリール包囲戦に参戦するなど、軍事的な才能を発揮しました。

選帝侯家の中心人物として

1698年に父が亡くなると、長兄ジョージが長子相続制により全ての領地と称号を継承しました。アーネスト・オーガスタスは、長子相続制の採用に反対しなかったため、兄ジョージからの信頼を得て良好な関係を維持しました。兄の宮廷であるヘレンハウゼン宮殿では、中心的な人物として来客をもてなしたり、文化活動を主導しました。ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが楽長に就任した背景にも、彼の活動があったと考えられています。

ジョージ1世の即位とその後

1714年、兄ジョージがグレートブリテン国王として即位しロンドンへ向かうと、アーネスト・オーガスタスはブラウンシュヴァイク＝リューネブルクにおける一族の家長となり、事実上の摂政として振る舞いました。ジョージ1世の孫であるフレデリック・ルイスがドイツに残された際には、その養育も担当しました。

1715年には、オスナブリュック司教に指名されました。オスナブリュック司教は名誉職ではなく実質的な職務を伴ったため、アーネスト・オーガスタスはオスナブリュック城とヘレンハウゼンの宮廷を往来する生活を送りました。

1716年にはイギリスを訪問し、ヨーク＝オールバニ公爵、アルスター伯爵に叙せられ、ガーター勲章も授与されました。

晩年と死

イギリスを離れた後は、オスナブリュック城とヘレンハウゼンの宮廷を行き来する生活に戻り、1728年8月14日にオスナブリュックで死去しました。彼は生涯未婚であり、貴族青年ヨハン・フランツ・フォン・ヴェントとの同性愛関係が示唆されています。彼の死後、イギリスとアイルランドの爵位は断絶しました。

アーネスト・オーガスタスは、同時代のイギリス大衆にはほとんど知られていない存在でしたが、ハノーファー選帝侯家の一員として、軍事、政治、文化の面で重要な役割を果たしました。

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