アーノルド・レーン

「アーノルド・レーン」は、1967年にピンク・フロイドが発表した記念すべきデビュー・シングルです。この楽曲は、オリジナル・アルバムには収録されず、後にベストアルバムなどで日の目を見ました。B面には同じくシド・バレットが手掛けた「キャンディー・アンド・ア・カレント・バン」が収録されています。

特筆すべきは、シド・バレットによる歌詞の内容でしょう。女性の下着を盗む趣味を持つアーノルド・レーンという名の男が、警察に逮捕され刑務所に収監されるという、衝撃的なストーリーが展開されます。この倫理的に問題のある内容が、一部のラジオ局（ラジオ・ロンドンなど）で放送禁止となる事態を招きました。しかし、BBCでは特に問題視されず放送されています。

音楽誌『メロディ・メイカー』は、この楽曲を「とにかく素晴らしい。ピンク・フロイドは英国ポップ・シーンに燦然と輝く新しい音楽を作り上げた」と絶賛しました。デビュー曲としては異例の全英20位を記録し、続くセカンド・シングル「シー・エミリー・プレイ」もトップ10入りを果たし、ピンク・フロイドは一躍脚光を浴びることになります。しかし、リーダーであったシド・バレットは、過度のドラッグ摂取により精神的に破綻してしまい、バンドを離れることになります。

2006年には、デヴィッド・ギルモアとデヴィッド・ボウイがデュエットしたライブ・バージョンが、シド・バレットの追悼シングルとしてリリースされ、再び注目を集めました。

参加ミュージシャン

シド・バレット - ボーカル、ギター
ロジャー・ウォーターズ - ベース
リチャード・ライト - キーボード
ニック・メイスン - ドラム

「アーノルド・レーン」は、ピンク・フロイドの初期を代表する楽曲であり、シド・バレットの才能が光る作品として、今もなお多くの音楽ファンに愛されています。スキャンダラスな歌詞、独創的な音楽性、そしてメンバーの才能が絡み合い、時代を超えて人々の心に響く普遍的な魅力を放っています。

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