アーモリーショー

アーモリー・ショーの概要

アーモリー・ショー（Armory Show）は、1913年にアメリカの美術界において画期的な展覧会として開催されました。この美術展は、アメリカ画家・彫刻家協会により組織され、最初の開催地であるニューヨークの兵器倉庫を利用したことから「アーモリー・ショー」と名付けられました。正式な名称は「国際現代美術展」（The International Exhibition of Modern Art）で、ニューヨークからボストン、シカゴへと巡回しました。

起源と組織者

アーモリー・ショーの起源は、1911年に行われたアメリカ画家・彫刻家協会の前身となる会合にさかのぼります。この時、ヘンリー・フィッチ・テイラー、ジェローム・マイヤーズ、エルマー・リヴィングストン・マクレー、ウォルト・クーンの4人が集まりました。ショーの組織者には、ウォルト・クーン、ウォルター・パッチ、アーサー・ボーウェン・デービス、ジョン・スローンなどが名を連ね、アルフレッド・スティーグリッツも企画に参加しました。

展示内容

アーモリー・ショーでは、1200点以上の作品が展示されました。その多くは、ヨーロッパとアメリカのアーティストの作品であり、ほぼ半々の割合でした。しかし、ヨーロッパの作品は、当時の多様な前衛的美術動向を反映しており、そのエネルギーや作品の質はアメリカの作品を大きく上回るものでした。特に印象派、新印象派、ポスト印象派、フォーヴィスム、キュビスムなど、フランスを中心とした作品が多く展示され、ドイツ表現主義や未来派の作品はほとんど見られませんでした。

影響と反応

この展覧会は、アメリカ国内外で多くの話題を呼び、賛否が交錯しました。特にシカゴで起きた「人形焼き事件」は有名で、この事件によって美術界の反発も浮き彫りとなりました。しかし、アーモリー・ショーはアメリカにおける前衛美術の認知を大きく促す契機となり、今まで限られていた展示場ではなく、広く一般に前衛美術が紹介されるようになりました。

特に注目された作品

アーモリー・ショーの中でも、特にマルセル・デュシャンの「階段を降りる裸体」（1912年）は注目を集め、賛否が巻き起こりました。この作品はデュシャンがアメリカに渡る大きなきっかけとなり、その後のニューヨーク・ダダへの流れを創出することになりました。

結論

アーモリー・ショーは、単なる美術展ではなく、アメリカの美術界における革命的な出来事でした。当展は、以前まで限られた場でしか評価されていなかった前衛美術を一般に広め、その後の美術界に計り知れない影響を与えることとなりました。

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