アーロム・バルディリス

アーロム・ウィルフレッド・バルディリス・ペレス

アーロム・ウィルフレッド・バルディリス・ペレスは1983年1月5日生まれの元プロ野球選手で、ベネズエラのカラカス出身です。彼は内野手と外野手としてプレーし、右投右打です。阪神タイガース時代には「ヒロシ」という愛称で呼ばれ、その後は「AB」や「バル」、「バルちゃん」、「バルさん」とも称されています。

経歴

来日まで

バルディリスは、祖父がコロンビアリーグでプレーしていた影響や父の野球好きから、4歳から野球を始めました。サン・フランシスコ・デ・サレス高を卒業後、2000年にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、ベネズエラ・サマーリーグでプロキャリアをスタートしました。2001年は春のケガによりシーズンを失いましたが、2002年からは順調に昇進を続け、2004年にはAA級ビンガムトン・メッツへ移行。2006年にはテキサス・レンジャーズに移籍しましたが、メジャー昇格への道は厳しかったのです。

阪神時代

バルディリスが日本の野球に興味を持ったのは、マイナーリーグでの先輩からの情報がきっかけでした。彼は2008年に来日し、阪神タイガースの春季キャンプでテストを受け、育成選手として契約を果たしました。2008年、彼は二軍からスタートし、早速ウエスタン・リーグでの活躍を見せました。5月には念願の一軍昇格を果たし、初打席初打点を記録します。このシーズンの彼は、打撃面での課題がありながらも一定の可能性を示しました。

2009年には一軍と二軍を行き来しながら、野球選手としての地位を確立しつつありました。特に、初先発での先頭打者本塁打は注目を集めました。しかし、最終的な成績は振るわず、2010年には阪神から戦力外通告を受けてしまいます。

オリックス時代

戦力外となった後、オリックス・バファローズに加入を決定。2010年は特に成績が良く、途中からレギュラーとして活躍しました。彼は故障を抱えながらも、チームの勝利に貢献する重要な選手として知られるようになりました。2011年にも活躍し、特に勝負強い打撃でチームを引っ張ります。

DeNA時代

2013年には横浜DeNAベイスターズに移籍し、再び活躍の場を広げました。バルディリスは6番打者として主に起用され、打率や打点で好成績を残しました。2015年にはNPB全12球団から本塁打を記録した選手となりました。彼はこの年をもってチームとの契約が切れます。

サムスン・ライオンズ時代

その後、2015年12月にサムスン・ライオンズと契約し、KBOリーグでプレー。2016年は怪我に悩まされながら、シーズンが終わり、現役を引退しました。

現役引退後

引退後の2017年、母国ベネズエラに「アーロム・バルディリス・アカデミー AB52」を開校し、若手選手の育成に注力しています。

選手としての特徴

バルディリスは得点圏での強さが際立った中距離打者でした。守備面では判断力と強肩が評価され、真面目な態度が多くの選手から信頼を受けていました。彼の日本での愛称「ヒロシ」は、コーチから付けられたもので、日本の文化に敬意を払う姿勢を表しています。

バルディリスの選手生活は、困難や試練を乗り越えてきた貴重な経験の積み重ねであり、彼の物語は多くのファンに勇気を与えるものでした。

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