アーロン・スモール

アーロン・ジェームズ・スモール（Aaron James Small, 1971年11月23日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ベンチュラ郡オックスナード出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として活躍しました。

若手時代とプロ入り

サウスヒルズ高等学校時代には、ジェイソン・ジアンビ、コーリー・ライドル、ショーン・ウッテンといった後のメジャーリーガーたちとチームメイトでした。1989年のMLBドラフトでトロント・ブルージェイズから22巡目（全体575位）で指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

メジャーデビューと苦労の時代

1994年6月11日、ニューヨーク・ヤンキース戦でメジャーデビューを果たしました。その後、オークランド・アスレチックスに在籍時の1997年には71試合、1998年には47試合にリリーフとして登板するなど、一定の出場機会を得ましたが、目立った実績を残すには至りませんでした。メジャーとマイナーの球団を転々とする時期が長く続きました。

ヤンキースでの奇跡

2005年、スモールはヤンキースとマイナー契約を結びました。シーズン開幕当初は傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズでプレーしていましたが、7月20日にメジャー契約を結び、アクティブ・ロースター入りを果たします。同日のテキサス・レンジャーズ戦で、実に9年ぶりとなるメジャーでの先発登板を果たし、見事に勝利投手となりました。

この年、スモールは先発、リリーフとしてフル回転し、2ヶ月足らずの間に10勝0敗という信じられないような成績を記録しました。9月3日のアスレチックス戦ではメジャー初完封を達成するなど、シーズン後半にはショーン・チャコーンや王建民と共に、ヤンキース投手陣の救世主的な存在として、チームの地区優勝に大きく貢献しました。

翌年の不調と引退

しかし、翌2006年はスプリングトレーニング中に右ハムストリングを痛めた影響で出遅れてしまいます。復帰後も調子はなかなか戻らず、6月17日にDFA（Designated for Assignment）となり、その後はマイナー契約でAAA級コロンバスでプレーしました。

2007年にはシアトル・マリナーズとマイナー契約を結びました。開幕から傘下のAAA級タコマ・レイニアーズでプレーしていましたが、5月18日に自由契約となり、そのまま現役引退を表明しました。

アーロン・スモールは、決してエリート街道を歩んだ選手ではありませんでしたが、2005年のヤンキースでの奇跡的な活躍は、多くの野球ファンの記憶に残るものとなりました。

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