イアン・クラーク (バスケットボール)

イアン・パトリック・クラーク：栄光を掴んだシューティングガード

イアン・パトリック・クラーク（Ian Patrick Clark, 1991年3月7日 - ）は、アメリカ合衆国テネシー州メンフィス出身のプロバスケットボール選手。ポジションはポイントガード/シューティングガード。

大学時代

地元メンフィスの高校で頭角を現したクラークは、同じテネシー州ナッシュビルにあるベルモント大学に進学。オハイオ・バレー・カンファレンス（OVC）で目覚ましい活躍を見せました。アトランティック・サン・カンファレンスの1stチーム選出、OVCの最優秀選手と最優秀守備選手に輝くなど、数々のタイトルを獲得。NCAAトーナメントにも出場し、その実力を証明しました。

NBAへの挑戦

大学での輝かしい実績にも関わらず、2013年のNBAドラフトでは指名漏れという苦渋を味わいます。しかし、クラークは諦めませんでした。同年夏のNBAサマーリーグに、マイアミ・ヒートとゴールデンステート・ウォリアーズの一員として参加。ウォリアーズの一員として出場したフェニックス・サンズ戦で33得点を挙げ、その才能をアピールします。

2013年7月29日、ユタ・ジャズと2年契約を締結し、念願のNBAプレーヤーとしてのキャリアをスタートさせました。しかし、ジャズでは出場機会に恵まれず、Dリーグでのプレーが多くなります。2015年3月26日にジャズから解雇されますが、その2日後にはデンバー・ナゲッツと契約し、シーズン残りを過ごしました。

ウォリアーズでの飛躍

2015年7月25日、クラークはゴールデンステート・ウォリアーズと契約。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソンというリーグを代表するスター選手に加え、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン、リアンドロ・バルボサといった層の厚いベンチ陣の中で、66試合に出場機会を得ます。2015年12月30日のダラス・マーベリックス戦では、カリーの欠場時に先発として起用され、21得点を記録。プレーオフ1回戦のヒューストン・ロケッツ戦の第3戦では、21分間の出場で11得点を挙げ、第4クォーター終盤には一時逆転となるレイアップシュートを沈めました。

2016年7月7日、ウォリアーズと最低保証額で再契約。同年11月1日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では、自己最高の22得点を記録し、127-104での大勝に貢献しました。さらに、約1ヶ月半後の12月17日にも同じブレイザーズ戦でキャリアハイを更新する23得点をマーク。2017年3月11日のサンアントニオ・スパーズ戦では、ベンチから33分間の出場でキャリアハイとなる36得点を叩き出しました。ウォリアーズの選手がベンチから30得点以上を記録したのは、2014年のジョーダン・クロフォード（41得点）以来となるフランチャイズ記録でした。

ベンチプレーヤーとして着実に成長を遂げたクラークは、2017年6月12日、念願のNBAチャンピオンに輝きました。

ペリカンズ、そしてオーストラリアへ

2017年8月1日、ニューオーリンズ・ペリカンズと1年160万ドルで契約。その後、2022年から2024年にかけてはオーストラリアでプレーしました。

ジャーマンタウン高校での栄誉

クラークは、出身高校であるジャーマンタウン高校において、歴代3位となる得点を記録。その功績を称えられ、在学時に着用していた21番は永久欠番となっています。

プレースタイル

クラークは、高いシュート力と運動能力を兼ね備えたコンボガードです。特に、アウトサイドシュートの精度が高く、試合の流れを変える重要な場面で得点を重ねることができます。また、ディフェンスにおいても献身的なプレーを見せ、チームに貢献します。

NBA通算成績

レギュラーシーズン：235試合出場、平均4.4得点、1.2リバウンド、0.8アシスト
プレーオフ：30試合出場、平均2.8得点、0.7リバウンド、0.3アシスト

（参照：NBA.com）

イアン・クラークは、決してエリート街道を歩んできた選手ではありません。ドラフト指名漏れ、出場機会に恵まれない時期など、数々の苦難を乗り越え、NBAチャンピオンという栄光を掴みました。彼の粘り強いプレースタイルと、常に向上心を持って努力を続ける姿勢は、多くの人々に感動と勇気を与えています。

外部リンク

NBA.com - Ian Clark
Basketball-Reference.com - Ian Clark
* Belmont Bruins Bio - Ian Clark

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