イエローナイフ

イエローナイフ：カナダ北部の州都

イエローナイフは、カナダのノースウエスト準州の州都であり、約2万人の人々が暮らす都市です。北極圏から南へ約400kmに位置し、グレートスレーブ湖の北岸に広がっています。この地域は広大な永久凍土と多くの湖や川に覆われ、先住民であるイヌイットやネイティブカナディアンが暮らしています。準州内では、8つの公用語が使用されています。

オーロラ観測の地

イエローナイフは、オーロラ帯のほぼ真下に位置しているため、年間を通してオーロラの出現率が高いことで知られています。特に、障害物のない広い土地と晴天率の高さが、オーロラ観測には最適です。夏には、平原の緑と湖のコントラストが美しく、カヌーやフィッシングを楽しむ人々で賑わいます。

名称の由来

都市の名前は、この地域に住んでいた先住民のイエローナイフ族に由来しています。また、先住民のドグリブ語では、「お金のある場所」という意味の「Somba K'e」と呼ばれています。

多様な言語

ノースウエスト準州では11の公用語が認められていますが、特に多く話されているのはチペワイアン語、ドグリブ語、スレイビー語、英語、フランス語です。

歴史

1930年代に金鉱が発見されたことからゴールドラッシュが始まり、イエローナイフは急速に発展しました。1920年代には北極圏探検の基地となり、その後も鉱脈が次々と発見されたことで町として成長しました。1967年には準州政府の所在地がイエローナイフに移され、州都として確立。1970年には市制が施行されました。1978年には、ソ連の軍事衛星がグレートスレーブ湖周辺に落下し、放射能汚染が問題となりましたが、米加合同で破片の回収が行われました。1991年には、市の北300km地点でダイアモンド鉱脈が発見され、1998年に操業を開始。一方、2004年には最後の金鉱が閉山しました。現在は、行政都市、そしてダイヤモンド鉱業の中心地として発展を続けています。2023年8月には、ノースウエスト準州で発生した大規模な山火事の影響で、イエローナイフとその周辺の住民に避難命令が出されました。

気候

イエローナイフは亜寒帯湿潤気候に属しています。

経済

イエローナイフは、鉱業、工業、運輸、通信、教育、福祉、観光、商業、行政の中心地として、周辺地域を支えています。ゴールドラッシュと行政が経済の基盤でしたが、1999年にヌナブト準州が分離したことで行政規模は縮小しました。しかし、近年はダイヤモンド産業の発展により経済は回復し、2003年にはノースウエスト準州の経済成長率は10.6%を記録しました。

観光業も重要な産業の一つで、特にオーロラ観賞目的の観光客が多く訪れます。1990年代から2000年代にかけて日本でオーロラ鑑賞旅行がブームとなり、日本からのチャーター便が運航されたこともありました。

交通

イエローナイフにはイエローナイフ空港（YZF）があり、周辺地域へのアクセス拠点となっています。

姉妹都市

イエローナイフは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

リノ（アメリカ合衆国ネバダ州）
フェアバンクス（アメリカ合衆国アラスカ州）
* ヤクーツク（ロシア連邦サハ共和国）

イエローナイフは、その独特な歴史と文化、そして美しい自然景観から、多くの人々を魅了し続ける都市です。

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